2013年5月30日木曜日

アーキテクチャーライティングの未来

 











LEDによるカラー革命がアーキテクチャーライティングの世界に起き、一時期はアーキテイメントなる言葉も聞かれましたが、それから10年が経過し、建築照明の分野にも演出要素をもった照明は、しっかりと定着したように見えます。

このアーキテクチャーライティングの分野においては、制御プロトコルとしてDALIのようなプロトコルが浸透するかに見えましたが、最近は、やはり舞台分野と同じくDMXのほうが市民権を得ているように見えます。

そしてこの先、DMXを伝送するインフラはイーサネットに変わる事も間違いなく、それは特に一般の建築分野において、DMXケーブルの敷設より、イーサネットケーブルの敷設のほうが簡単且つローコストな点で、自然と普及していくだろうと予想します。

商業施設のファサードを飾るLEDのライティングなど、LED化が進むが故にチャンネル数は膨大となり、ネットワーク化が必然の状況が形成されているのが今の状況ではないでしょうか?そんな昨今のアウトドア照明事情を見ていると、LumenRadioのDMXワイヤレスのようにネットワークプロトコルをサポートした製品と、Luminexのノードは最強の組み合わせなのでは?と思うのです。

2つのビルにまたがる場合など、物理的にケーブル敷設が不可能な場所において、ワイヤレスで送受信し、ネットワークプロトコルで出力、末端でノードを入れてDMXにするようなシチュエーションも考えられます。ワイヤレスはアウトドアだからこそ活躍する面もあり、しかし施設内はイーサネットのほうが便利ということで、これらを組み合わせると、アーキテクチャーライティングの未来もなかなかおもしろそうです。






価格改定のお知らせ

 昨日、当社から販売代理店さまあてに、当社製品に関する価格改定のお知らせを出しました。大きく変更となるのは、Luminex社のGigaCoreシリーズで、これはライセンスで機能追加するという方針から、すべての機能を標準搭載に変更という仕様変更をLuminexが行ったためであり、実質は、あまり大きな価格変化ではないのですが、グループライセンスなどがない14Rとかを選択できない分、値段が上がってしまいます。

Luminex製品については、ギガコア以外のノード及びスプリッターに関して、値段は据え置きとしつつも、これまでのような定価設定ではなくオープン価格とさせていただきました。よって、Luminex製品は、すべての製品がオープン価格となります。

一時は、ユーロ高から、値段を上げるかどうか逡巡しましたが、思いとどまり、全体的に、価格変更をしない方向です。ここは我慢の時だと。。故にConnex製品、ファイバーフォックス等についても、値段は変更なしで、これまで通りの販売をいたします。(コネックス製品、ファイバーフォックスに関しても価格はオープンです)

この為替レートの件で、価格変更となるのは、LumenRadioとMedialon製品になり、LumenRadioに関しては、今日中に、定価表をウェブページに掲載したいと思います。Medialon製品の価格変更に関しては、また別の事情で、ユーロ取引からUS$取引に変更になったためで、Medialon製品に関しての価格については、ご興味のある方はお問い合わせください。(基本オープン価格です)

というわけで、全体的に値上げは踏みとどまった結果ですが、LumenRadioやMedialonのように価格が上がる製品もあり、この点は、どうぞご理解いただきたいと思います。極力、価格変更しないで、続ける努力をするつもりです。



2013年5月23日木曜日

建築照明分野でもDMXからイーサネットへ












 最近、少し性質の異なる仕事に関わっているため、頭がなかなか切り替わらないのですが、今日は初上陸したLuminexのDinMX4のご紹介です。

今から3年前、社長のBartが来日した際、車の中で話した話。「まだ内緒だけど、建築照明分野向けのノードを作る計画があるんだ」「へえ〜そうなんだ。それはいいね」という会話から2年、PLASAにてそのノードの発表があったものの、すぐに購入する事はできず、今になって、ようやく興味をもつ方が現れたので、当社でも仕入れることができました。 DinMX4、日本初上陸です。

DinMX4の基本機能は、EthernetDMX4Mk2と同じですが、PoE対応になっているほか、イーサコンやDMXのポートはなく、RJ45ポートか又はブロックモジュールの入出力になります。(ネットワークポートはRJ45)

名前から想像するとおり、DINレールに取り付けできる装置で、建築照明などの制御ラック内で、場所をとらずコンパクトに設置できます。また、DMXはイーサネットケーブルを利用することで、安価にまた一般の電気工事の方でも簡単に敷設でき、まさに建築分野に高い効果を発揮する製品です。






2013年5月15日水曜日

Lumonic ilumo

 









 今回は、今年の前半から展示会などで披露しているLED製品、Lumonic社のilumoに関してです。。この製品は、当社のメインページではなく、MRTEというサイトでご紹介しつつ、照明業界のパートナーとして、販売やレンタルをPCライツさんにお願いしています。つい最近、そのPCライツさんのサイトでもilumoの紹介が始まりましたので、ここでご紹介させていただきます。

私個人のバックグラウンドからすると、こういう照明器具を扱うのは自然に見えるかもしれないんですが、実は当初、マイルランテックで照明器具を扱う事には消極的でした。それは、やはり当社のカラーに合わないという点で。。しかし、このイルモに関しては、そのコンセプトに惚れ込んでしまい、どうしても関わりたくなってしまったのです。こういうのはCatalyst以来、久しぶりの感情でした。

この私が選んだLEDは、RGBW+zoomというよくある構成のPAR型ウォッシュライトです。しかし、この4色を単にミックスするこれまでの照明器具とは異なり、ilumoは、WhiteLEDをあくまで色温度の調整にだけ利用するモードを持ち、RGBWでHSIのミックスを実現しています。

え?他もそうでしょ?と言う人もいらっしゃるかもしれないですが、RGBだけでなく、Wも混ぜたHSIによるミキシングとか、CIEの座標軸から色を生み出す機材はないと思います。しかも個々のRGB原色を調整できる機材というのもまだない。

この色に対するこだわりとまた、これまでのLEDカラーミキシングの概念を越えたあたりに、未来を見たというか、感動してしまいました。もちろんまだファームウェアは改良中ですが、しばらくするとカラーパレットデータもユーザーが自ら登録できるようになります。

このバーチャルカラーホイールのようなLEEフィルターの番号の色が出力されるモードは、他メーカーの製品にもありますが、まさかそのパレットデータを書き換える事ができるとか、ネットワークネイティブというのは、このイルモ以外にないんじゃないかと。
(すみません。これはまだ未完成で、今、改良中ですけど)

こうした全体のコンセプトが、Lumonicのイルモはすごいと思うのです。あとは、この感動を維持し続ける開発力ですが、そこのところは、もう信頼して任せるしかないです。私としては、信じているので、これからもよいアイデアを彼らに提供していきたいと思っております。



2013年5月13日月曜日

劇場空間におけるネットワークインフラの真価

 ここ数日、気温の変化が激しく、体調を崩す人も多いようです。そんな中、今月は毎年恒例の健康診断ということで、社員一同、それぞれ自分の体チェックに行ってもらってます。体調管理も大事な仕事ですね。

さて2013年も5月の中盤になり、今年のトレンドはなんだろうな?などとのんきな事を考えていると、円安トレンドがもっとも大きなトレンドのような。。先のエントリーでは、秋までなんとか価格キープでと言っておきながらですが、つい先日のG7の会議でも、1ドル100円の円安に対して批判も出ず、どうやらこのまま円安が持続しそうな気配です。これは、なかなか厳しい状況になったなと。。今後はこうした為替レートで右往左往しない経営を行いたいと、改めて思います。

さて、本題ですが、今年はようやく舞台業界もネットワーク化の波が本格化したようです。まさに今年、生まれ変わった歌舞伎座も、現代的なネットワークシステムを採用しており、ネットワークはまだ早いと言う人の多かった数年前が、懐かしく感じるほどです。

こうして、ネットワークインフラが整ってくると、その便利さに、さまざまな信号をネットワークにのせるようになるでしょう。というのも、先日、LuminexからGigaCoreのニューファームウェアがリリースとなり、このファームウェアはグループ機能が搭載されたバージョンになるため、今の劇場インフラでGigaCoreを採用している設備は、異なるプロトコルを同時に利用できるほか、インカム回線や、解像度がさほど大きくなければ、卓の画面(チャンネルデータやキューの進行画面)などをネットワークにのせて、デザイナー席に提供する事などが可能になってきます。

今年以降、このネットワークインフラの進化は、こうしたマルチプロトコルの共存、そして映像やインカム等の同時利用へと進んでいくと思われます。

GigaCoreについて、簡単に解説したPDFをアップしましたので参考にしてください。
資料ダウンロードのページ






2013年5月7日火曜日

為替リスクと価格設定

 GWが明けると、もう5月も中盤です。きっとすぐに梅雨に突入して、夏がくるんでしょう。本当に1年が過ぎるのは早いです。何もしないでいると、本当、時間だけが、無意味に流れてしまいます。こうして一歩一歩、年を重ねて老いていくんですね。自分の命のカウントダウンを感じます。 

ところで、GW明けから円安トレンドのせいで、各方面から「製品の値段上がりますか?」のお問い合わせをいただいてます。。お気遣いありがとうございます。

もちろん、本音を言うと、さすがにこの急激な円安トレンド、誰が予想できるでしょう。。 きついのは間違いありません。なにしろ、2012年は1ユーロ100円前後で推移しており、今年になって一気に130円ですから、30%仕入れ価格がアップしているわけで、ここまで急に円安になるとは想像できませんでした。
(昨年、値段下げましたから。。)

あれだけ危うい要素を抱えるユーロですから、円に対しては、安いまんまだろうと想像してたんですが。。まったくの逆トレンドでした。。値段変更できるなら、そうしたいのはやまやま、なんですが、FiberFoxは、そうでなくともノイトリックの営業さんからまで、高いと言われており、この状況で上げるわけにもいかず、(ブラックボックスさんにも値段をお伝えしたばかりですし) 泣きながら耐えている状態です。


夏までは、このまま様子を見つつ、秋の状況で、また改めて価格を考えたいと思う次第です。