2013年9月19日木曜日

マイルランテック創業秘話 1

  本日は、当社で採用活動を行っている事もあり、今までに、もしかしたら書いた事があるかもしれない創業時の話をしたいと思います。

私が会社を設立したいと思うようになったのは、20代後半、たぶん28〜29歳の頃だと思います。何か漠然と、今の仕事で自分なりに事業を行ってみたいという想いだったと記憶しています。(当時は照明デザインに憧れ、普通に舞台照明の仕事をしていました)

当時、何かが変わる。大きなうねりのようなものを感じたのが、 98年、オーランド(LDI ショー)で出会ったアイコンMという今で言えばプロジェクタームービングライトのデモンストレーションとETC社のブースで行われていたNet2というイーサネットを使った照明制御信号(DMX512)伝送のデモでした。

それ以来、自分の中でネットワークシステムと映像の2つが重要なキーワードになり、来る日も来る日も、この2つの事を考え続け、自分にとってこの2つのキーワードがなぜ心を揺さぶるのか?どこにうねりを感じるのか?考え続けていました。

このもやもやしていた答えを探し続け、いくつかの輸入販売代理店をお手伝いしていた時期もありますが、決して自分は舞台製品の輸入販売がしたいわけではなく、映像と制御システムに関わりたいというただそれだけでした。(今では輸入販売業をしていますが... )

その想いがいつしか運命の糸をたぐり寄せ、愛知で行われた万博(愛 地球博)でのCatalystプログラムへとつながるのです。 そこで念願のプロジェクタームービング、アイコンMの進化した形であるDL1をプログラムしながら、どうにも納得がいかず、おそらくこれじゃない。何か重要なもの、映像をショーで使う本質はほかにあると感じずにはおれず、この博覧会の会場内をさまよいながら、運命的にカナダ館へ立ち寄ります。

このカナダパビリオンでの体験が、映像と照明を組み合わせたショーシステムという世界観へとつながり、Motion Image とLightingを統合して動かすテクノロジーを提供する会社マイルランテックへとつながっていきます。

 この万博での想いとは別に、私は遠い昔に関わったセミコンダクター展のあるブースでアメリカ人が行った、照明と映像、そしてスモーク、送風機、音響のトータル制御にあこがれていました。それはとても楽しい体験でしたし、こういう小さなショーでも、人を楽しませる(笑顔を生み出せる)ことができる。それは、自分が関わった舞台業界のテクノロジーそのままじゃないか。自分が学んだ技術には、こんな使い方があるんだと心から感動した記憶があります。

そこに万博で見た映像と照明を組み合わせた圧倒的な迫力のショーの印象が加わり、こんなショーを実現したい。この技術を使って制御環境を構築し提供したいという想いから、今のマイルランテック創業へ邁進する事になりました。2005年の頃の話です。

やはりショーテクノロジーは楽しい。人を驚かせ、楽しませる事ができる。すてきな仕事だと思います。しかし、この技術はコンピューターとの出会いからは、加速度的に進化を続けており、また照明、映像、機構(ステージオートメーション)などのカテゴリーを超えて、幅広い知識が求められるようになっています。そんな時代だからこそ、マイルランテックは、それをサポートできる会社であり続けようと思うのです。



正社員募集開始

 このブログを読んでくださるプロの現場の方々には関係ない話ですが、当社は昨日から正社員募集を開始しました。中途採用の募集です。

こう書くと儲かってんだね〜というまた下世話なヤジが聞こえてきそうですが、そもそも会社の儲けなど幻想で、利益は会社を維持するガソリン。つまりは未来への投資でしかない。その意味では会社に儲けなどないと言えます。会社はコストの固まりでしかない。と、ドラッカーもそう言ってますね。今回の投資は人への投資という事です。

会社が人を採用するのは、 会社の規模を大きくするのが目的ではなく、サービスの維持と向上を考えると、人が必要だからです。また、将来の会社のイメージを明確にもっているからこその採用活動です。

当社の場合、ネットワーク関連の仕事の他、映像関連もありますし、自動制御のシステムという仕事もあります。そして今では、LED器具の販売という面もあり、それぞれの分野に相応しい人が必要だと思います。

自分は会社を設立した瞬間から、自分の役目は会社を運営し、サービスを維持することであると認識し、実務面では脇役でよいと考えるようになりました。それゆえ多くの仕事を早々に人に任せていきます。失敗する事もありますが、それでもやってもらう。

よく人を育てるなんて事を言いますが、自分は人が人を育てるなんて無理だと思う。その人が自ら、「変わりたい」「楽しい」「この仕事好きだ!」と自分から変化を起こす事で、勝手に育つのであって、人が育ててくれるのではないと、そう思います。自分にとって重要な事は、こうした変化のきっかけをどれだけ、その人に与えられるか?それが重要な仕事なんだと。。

今では、パートも含め5人が働く職場ですが、ここにまた新しい風を吹き込む人が現れるか?とても楽しみですが、当社に入ったからには、ショーテクノロジーに関する世界で、思いっきり知的好奇心を満たしてもらい、未来のショーコントロールデザインの分野で一流になってほしいと思います。

2013年9月18日水曜日

現場訪問 活躍するLuminexノード













 今日はトラブルが発生したという報告を受け、すぐ近くという事もあり、代々木のコンサート現場にお邪魔することになりました。いろいろ機材をもっていったわりに、簡単に解決してしまい、その後はコンソールブースで新しい卓の話やビジュアライザーの話などをお聞きし、当社のネットワークチームもいい刺激になったのではないかと思います。

 当社の製品は、やはり現場でこそ活きる製品であり、こうした現場を見学するのは、非常にいい勉強になります。そうしょっちゅうではないのですが、お願いすると、当社のお客さんなら、現場見学もさせていただけるし、ゲネプロを観る機会もあります。おそらく、そういう機会がないと、当社の社員のように舞台業界以外から来た人は、舞台について理解する機会がないのではないか?と思ってます。

当社の製品は、このような大きなコンサート現場でも、またTVスタジオや、有名な劇場で、数多く活用されており、ますます責任の重さを感じつつ、この現実に、ステージのネットワークシステム専門企業として、自分たちの仕事に誇りとやりがいを感じます。

遠い昔、自分もコンピューターのシステム開発にかかわったりした事を思い出しても、これほどわかりやすい形で、自分たちの仕事や販売した製品が美しい形に昇華する仕事はなく、ネットワークインフラで社会貢献なんて見えにくい世界とは異なり、舞台の仕事は、今、目の前で動いたり輝くステージに、貢献している実感が得られ、ステージ技術者とともに、ステージに貢献していると感じられる意味では、舞台の仕事はやはりおもしろい。いい仕事だと思うのです。

最近、採用活動しているせいで、やや宣伝めいた表現になりましたね。

















2013年9月15日日曜日

ショーコントロールの限りない可能性

 ShowMasterを香港で使った事があると言ってたのは、特殊効果の方でしたが、Medialonの条件制御のプログラムという特性を考えると至って普通でしょう。特殊効果のように、安全性が求められる現場では、センサーを入れて、特定の接点回路がオープンにならない限り、特定のエリアのトリガーが無効になるという仕組みは非常に重要で、これは特効だけでなく、ステージオートメーションの分野でも同様です。

モーター制御を行う際、特定の条件を満たさないとGoトリガーが無効になる仕組みは必要です。しかし特殊効果と同様、通常のショーではキュー管理でショー全体に埋め込まれなければならない。ステージオートメーションと照明、映像が同期する必要があるわけです。

映像機器だけの自動実行でも、Medialonは活用できる製品ですが、さらに音響卓のシーンをトリガーしたり、照明卓をMIDIショーコントロールで同期するというような場面でも、非常に便利で、重要な役目を果たす事になります。

こういうカテゴリーをまたがった演出とその仕組みのデザインに関わる人が必要になるのが、Medialonを活用する世界ですが、大規模で複雑なショーを組み上げるとき、このセクションは非常に重要なものとなるでしょう。

正直な話、昔の制御屋さんのように、PLCコントローラーを使った自動制御など、Medialonじゃなくても簡単なショーをつくれますが、デザイナーとともに、シビアなきっかけをチェックしながら、リハーサルの中のトライ&エラーでショーをつくる事は不可能でしょう。それは単なる制御屋さん(一次請けするような、大手の会社さんの間ではそう呼ぶらしい)では無理だと思います。

また、もう少しエンターテイメントよりの分野で、タイムコード垂れ流しというやり方も昔はあったかもしれませんが、1/100での同期は不可能ですし、より複雑なシステムの構築、例えば、ShowMasterに同時接続できるパネルウインドウは、10になりますが、これら10のパネルには、キュー進行を表示したり、出演者にきっかけを伝える画面にしたり、ショーデザイナーに現在のショーの状況を伝えたりすることが可能で、ショーの進行に合わせてきっかけで画面表示を変えるといった事は、今までのショーの同期システム(単純なタイムコード)では無理です。

Medialonを活用するショーデザインは、より深くショーデザインに関わる世界観で、言われた通り、タイムコードを垂れ流す事とは異なります。この分野を誰が担うのか?今はわかりませんが、新しいセクションが必要な事は確かで、それはショーデザイナーにより近い位置になるのではないかと感じています。やはり、Medialonには無限の可能性があり、そろそろ、この分野の確立を目指して、普及活動をしていかねばならないと感じています。





ショーコントロールという装置












 日曜の午後、激しい腰痛にもがきながら、なんとか会社で正気を保ってます。
どうやら立ったままのほうが痛みがやわらぐようで、立ち仕事で今日も休日出勤です。
若い頃、舞台の仕事をしていた時代に壊したからだは、今もその後遺症に悲鳴をあげてますが、腰痛は座り仕事にとってもよくある現象ですね。来週からはイスを廃棄して仕事に励みたいと思います。

最近、自分の中でのトレンドは、やはりトータルショーコントロールです。この分野はまだ、確立されているとは言いがたいのですが、昔から博覧会や各種の自動制御システムで、PLCコントローラーやリレー回路を作って、地味に行ってきた分野であり、制御屋さんとか言われて存在していたのは確かです。

そんな世界に、よりクールなイメージとともに、脚光をあてるのが、Medialonのプロダクツであり、この分野には、映像でも照明でも、音響でも、そして特効さんでも、関わる可能性がある世界です。簡単な話、この分野に詳しく、ショーデザインに関わる可能性のある人なら、使いこなすことができ、きっとその便利さを実感できるだろうと思います。

つい最近、このショーマスタープロを購入した映像機器レンタルの社長さん。この方はいつも先進的な思考で、機材を選択する方ですが、映像機器をトータル制御する事を想定して、さっそくショーマスターを学んでいます。その姿勢には、私も学ぶものがあります。自分も、10年先まで新しい事を学べる人間であろうか?と。。やはり年の問題ではなく、諦めずにトライする姿勢こそが大事なんだなと思います。

コンピューターの時代にはいり、ショーコントロールの世界も、加速度的な進化をしていきます。常に新しい事を学び、取り込める柔軟さが必要なんですね。





2013年9月8日日曜日

ShowMasterをどう活用するか?













 InterBEEにも出展するMedialon製品の話をしたいと思います。
当社は、もう3年も前からMedialonという会社の製品を販売していますが、以前からこの製品の販売対象を誰に設定するか?と、またどういう広告を出すべきかで悩んでいた上に、自分自身がこれを販売するより、この製品を使ってデザインするプロジェクト案件のほうに興味が傾き、それほど売れていないのが実情です。
(ほとんど宣伝してませんからね。。当然です)

しかし、今年は、この製品を多くの分野の方に知ってもらって、ご活用いただき、世間一般のプログラマブルコントローラーをより簡単にまたスタイリッシュなシステムに置き換えるべく、展示会などで再度、披露していきたいと思っています。

まずは、ショーマスターとこのMedialon社の製品をよく知る映像業界の方々向けに、以前よりいくつかのお問い合わせがあったShowMasterによるGrassValleyT2制御と、スイッチャーの同時制御に関して、再度のテスト報告です。

こうした再生機器の制御に多くの人がRS422制御に絶対の信頼をもっているため、多くの方がRS422こだわりますが、ShowMasterシリーズはRS422専用のポートがなく、イーサネットベースでRS422を取り出すサードパーティー製品が必要なため、T2制御に関しては、イーサネット接続をご提案します。

イーサネット接続で同期再生に関しては、まったく問題なく、コンテンツのフレームレートと、ショーマスターのタイムラインのフレームを合わせることで、ロケートのズレなどもなく、メディアのプレイバックのほか、メディアのロードもできます。逆にT2のLTCタイムコードアウトを受けて、ショーマスターのタイムラインを同期することも可能です。

これまで自動制御と言っても、小規模な施工案件向けに利用する事しか考えてませんでしたが、やはりMedialonは大規模なショーにおけるプロ用ツールと位置づけるほうがらしい感じがします。実際、北京五輪やアジアンゲームなどのトータルショーコントロールに活用された実績を考えると、今度のまさに東京五輪では活躍できる場所があると思うのです。
その点を是非、プロのショープログラマーにわかってほしいと願ってます。







2013年9月7日土曜日

InterBEE出展決定 全製品を出展

 土曜の昼さがり、のんびりと出勤し、静かなオフィスで物思いに耽るのも悪くないと、窓の外を眺めたりして、そんな午後を堪能したかったのですが、結局は多種多様な仕事に翻弄されています。最近は、ゆっくりと考え事をする時間がなかなかとれません。
ブログも本当に久しぶりの更新になり、文章を書くという行為に抵抗を感じ始めている自分がいます。ダメですね。。ほんと

さて、今日はInterBEE出展のお知らせです。昨年はお休みしましたが、今年は2コマに増やして再挑戦です。面積が増えたので、当社の全製品を展示する予定です。
詳しいホール情報がありませんが、当社ブースはホール7と8のちょうど間くらいで、北口側の端になります。ブース番号は7401
( ホール7のエスカレーター降りたらすぐですね )

http://www.inter-bee.com/ja/about/exhibitor_info/detail.php?exhibitor_id=1343

他にいい展示会がないうえに、当社のネットワーク製品や光ファイバーは、音響さんも映像さんもお使いいただいているので、プロ向けの製品という意味では、この展示会がやはり最適です。今回のカテゴリーは映像機器分野にし、天井のライトが点いた明るい場所を選びました。もう余計な演出はなしです。製品をどーんと展示して解説中心にします。

この展示会、最近、照明はだんだんと縮小しつつありますが、当然ながら照明向けにLumenRadio製品やLuminexのノード製品も展示します。LumenRadioからは営業担当が、わざわざスウェーデンから来てくれます。実際、来てみるとファイバーケーブルやLuminex製品ばかりで、ちょっと悲しくなるかもしれませんが、当人は、はじめての日本に喜んでました。

今年は2コマある上に、社員総出で対応する予定でおりますので、より落ち着いて説明が聞けるのではないかと思ってます。もちろん私も参加予定です。
特に、映像さん向けには、今年は本気モードに入ったMedialonをがっちり説明できるのではないかと期待しています。グラスバレー製品の制御やWatchOutの制御も容易にできるこの製品は、きっと多くの方にとって隠れた名機だと思います。今回はこれの全ラインアップを展示したいと思います。是非、ご期待いただきたいです。
 
6年前、一人、小さなレンタルオフィスで始めた私の仕事も、今や社員も増え、一人でやる仕事ではなくなっています。思い出すと最初のInterBEEは、すべて手作りで、イケアに行き、自分でテーブルクロスなんかを購入し、長机に被せて展示品を置いたり、当時はまだプロジェクションマッピングという言葉がなかった頃、カーブドスクリーンに映像を貼付けて展示するなど、工夫をこらしていました。懐かしいです。

今年、マイルランテックは、今の自分たちらしい等身大の展示をします。
素直に自分たちが感動しつつけるすばらしい製品群を展示し、トータルショーコントロールをデジタルなシステムで行うというコンセプトをより多くの人にも理解して欲しい。そして自分たちが感動する製品に同じく共感してほしいという想いで、皆様の来場をお待ちしております。よろしくお願いします。