2015年10月25日日曜日

変化の兆し

 


 ラスベガス最終日です。今日はディストリビューターとしての仕事は終わり、他のブースを見て回るだけなので、のんびりモードで会場を見て回りました。しかし実際は、販売会社の方々の戦いのような世界がここにあります。のんびりなんてすることできないはずですが、やはり自分は営業するのが下手で、そういう世界に突入することができない人間だなと実感します。


さて、今回のLDIに、数多くの映像業界の方々が来ていたことは、照明業界の人は知らないんじゃないかと思います。しかし、いかに映像と照明が急接近しているかは、この事実から見てもあきらかでしょう。本来、LDIは照明の展示会ですから。。

世界を見渡してもショー産業は、音響、照明、映像のそれぞれの業界で、買収劇が進んでおり、映像と照明、音響と照明など集約化していく様を見ることができます。これは1つの産業が飽和し安定化する段階でみられる典型的な現象だと自分は思います。すでに上り坂は過ぎたんだと思います。確かに90年代はとても躍動感がありましたからね。その時代とは大違いです。

(この業界の集約化というテーマは、ぼくがリットーミュージックさんのムック本に寄稿した記事の頃からの自分の基本的視点です。)

その視点で業界を見ると、映像業界は照明を制御する手段が必要だし、照明は映像を取り込む必要があり、その意味でそれらをつなぐ手段が必要になっています。それがショーコントロールであり、ショー演出を1つに統合する技術だと自分は思います。いつかそれぞれの業界で、これを担う部署なり担当を作る時代がくるでしょう。その時にショーコントロールとかクオリティーコントロールとかの視点が求められることは間違いありません。

 (クオリティーコントロール的な視点については、また別の機会に解説します)

ショーコントロールは決して同期だけが目的ではなく、また自動演出の仕組みというものでもないんです。照明や映像、機構、特殊効果などをつなぎ、1つの演出に昇華する技術であり、 次の時代に求められるスキルだと思います。世界はそういう風に動いてると自分は思います。今やコンピューティング技術の上で、構築されているのが、われわれの世界です。

(正直、ほぼすべての業界がコンピューティング技術に飲み込まれましたが。。。)

つまり、コンピューター技術に立脚した産業の場合、技術の進化こそが追いかけるべき指標であり、それを無視して1つの職人技術だけに固執することなどできないはずです。日本人の得意な1つの熟練した技術の延長ではなく、いつもルールは変化し、ゲームの仕方が変わる。それが現代の技術に立脚した世界観です。1つの産業の特定の技術の先ではなく、もっと多角的な視点が必要だと思う。そういう意味でショーコントロールの世界観は、非常に現代的な分野になると自分は思ってます