2016年12月29日木曜日

2016年の終わりに(変化する指標)

 毎年のことながら、1年が過ぎ去るのは、本当に早いと思います。無常迅速とはまさに。
今、こうして恒例の、一人、”事務所で振り返る1年” です。社内は静かで、テストランしているハードウェアの唸りだけが、虚しく響いています。

 今年は最後まで、押し寄せる数多くの情報と格闘し、途方にくれるほど当社の仕事の幅も広がりました。大変ではありますが、変化し続けないと企業は長く生きられません。
同じことを同じやり方で続けるというのは、リスクでもあり、衰退化していくことに繋がります。きっと、今年の大きな変化で5年後には、マイルランテックの業務には全く新しいジャンルが誕生しているだろうし、その頃には社内の景色も相当に変わっているでしょう。それが自分の目指す会社の理想です。自分が経営者である限り、変化を追い求めるのが、自分のやり方だと思う。人の採用も進め、新しい商材も仕入れ、新しい会社の運営方法も採用した。

おかげで、2016年は、まさに脱皮するかのごとく、これまでの10年の呪縛を自ら拭い去り、次の10年をあゆむ準備ができたことを強く感じます。確かにセットバックした(後退した)局面もあったかもしれないけれど、あの頃はまだ自分にもどう対処すべきか?わからないこともあったし、それがベストな選択だと思って実行したこともあった。その結果、数年という時間を失ったのは事実だけれども、あれは遠回りすべき時期だったかもしれない。何れにせよ、今は軌道修正し、想定される動きのセンターに自分は立っており、
全てがコントロールされていると思う。

しかし、常に時代は変化するものであり、同じやり方が通じないことが常識だと思えば、もしかすると10年も経つと、うちの業態そのものも、異なるものに変化しているかもしれません。追いかけるべき目標もいつしか異なる基準になって、同じ指標を追いかけていては、道に迷うかもしれない。やはり時代は変化し続けるのだと思う。だから、追いかけるべき指標は時代とともに変わり続け、それに気づき続ける感性が社長には、必要なんだと思います。

自分も気づけば40代後半に突入し、意識していないと、自分の発想そのものが古びてしまいます。まさに時間が過ぎ去るのは迅速で、世の移り変わりは早いです。自分をアップデートし続けないと、何もかもが古くなる。つい最近、会社の継続を断念した人の話を聞いた。どこか時代の変化に対応しきれずに色褪せる景色の中かから抜けられない苦悩を感じずにはいられなかった。10年以上続けても、こうして継続を断念せざるをえない状況になる人もいる。やはり会社を続けることは難しいのだと思う。

さて、改めて2016年は、様々な業界の方々に、お世話になりました。私自身、たくさんの刺激を受けて、数多くの気づきを得ることができ、目標だった改革完了にも目処がついたのは、大きな成果だったと思います。今年6月に発表した事業計画はすでに大きな変更を加えて再度、設定し直しました。自分の頭の中にある計画が現実と全く同じというわけにはいきませんが、計画を作ることとそれを実践すべく努力することには意味があります。

マイルランテックとしては、2016年が改革完了の年と位置付けましたが、これから時代が大きく波打つ2017年は、まだまだ面白いことが押し寄せそうです。この変化の波を楽しんで乗りこなせるようになりたいと思います。今年、1年ありがとうございました。





2016年10月29日土曜日

InterBEEにLuminexがやってくる

 すでにお気づきの方もいらっしゃる通り、今年のInterBEEに、ベルギーのLuminex社、本体がブースを出します。(音響エリアです)
ここで彼らは日本法人を設立する発表などを行います。当初は夏前に法人登記を予定してましたが、お手伝いする私も忙しく、向こうも時間がとれない中、時間が過ぎ去り、InterBEEの時期になってしまいました。

おそらく来年には、Luminex社の日本法人が誕生し、代理店の数も増加することになります。これにより、マイルランテック単独で行ってきたLuminex製品輸入については、終焉となり、複数企業による流通のスタイルへ移行していきます。

しかし、それでもほぼ10年、Luminex社とお付き合いしてきたマイルランテックは、さまざまな知識をもち、Luminex製品のサポートができる代理店であり続けます。
マイルランテックとしては、今後もLuminex製品のよきパートナーであり、ショー産業のネットワークシステム普及に貢献する企業でありたいと思っております。今後も皆様のご支援をいただき、Luminex製品の販売を継続していきたいと思います。何卒、よろしくお願いします。

私、宇佐美はLuminexとは長い付き合いになります。以前から、この計画は存在しており、古くはまだ照明業界だけで製品を販売していた頃から、日本にLuminexが進出する計画はありました。Luminexについては、多くの人が昔から知ってたとか、当初、取扱いを検討したという話を訊きますが、2007年当時、それを実行したのは、私だけでした。

そして数多くのトラブルも経験したし、まったく売れない時期もあった。その意味では、決してラッキーではなく、順風満帆な10年でもありませんでした。ただ、こういう製品が好きで、また業界に必要だと感じた。それをひたむきに伝え続けた10年だったと思います
長いような短いような10年でした。






2016年9月10日土曜日

WEBサイトとドメイン

 創業してから、正直、全く気にとめることもなく、またほとんどその存在も忘れていたのが、当社のドメイン管理とレンタルサーバーの契約。誰からも指摘されることなく、新しく入社した人から指摘され初めて、かなり長い間、ドメインのWhois情報も、サーバーのレンタル契約も2006年当時のまま、放置という状態を認識しました。

ことの発端は、私の号令でWEBサイトをリニューアルするという仕事からスタートし、今のcomドメイン からco.jpに変更をしようという意見が出てきて噴出した事案。正直、WEBページの大幅リニューアルというイベントがなければ、大概、放置されてしまう事案という気がします。今回は気付けて良かったのかもしれません。

創業時は、確かにウェブサイトもクリエイティブに行かなければと自分自身、感じていたし、こだわりは、あったものの、時とともに、興味が薄れていったのは否めないですね。ようやく重い腰を起こし、より使いやすくするために、当社のウェブサイトは大きく変更していきます。やがてcomドメインからco.jpに変更するとともに、WEBサイトの見た目も大変更していきたいと思っています。今後もよろしくお願いします。

2016年7月24日日曜日

10周年

 会社を創業してとうとう9年(9期)が終わりました。個人事業の時代をいれるとちょうど10年。あっという間でしたが、自分が目標としていた歳月が流れ、1つの時代を走り抜けた感があります。当初は一人で始めた仕事でしたが、3年後には3人となり、5年後には7人まで増えて、今年は9人になります。去った人、新しく加わった人、いろいろありましたが、今は今のマイルランテックがある。次の10年をまた気持ちを新たに一緒に走ってくれる仲間を募集し、今年の目標であった社員構成が完了しました。

数年前から、新しい才能に加わってもらうことで、会社の空気を変えたい。新しい仕事に取り組みたいという思いがありました。もう、後ろを振り返って愚痴をこぼしているのはやめて、気持ちよく仕事ができる才能をもった人と出会いたい。そう強く願い、今の形が出来上がった。きっとマイルランテックはまた、おもしろい事をやれる。新しい仕事に取り組めると考えています。今や自分でできないことばかりとなり、才能豊かな人に未来の仕事に取り組んでもらわねばなりません。

個人的に、今年は自分が考えた様々な改革の完了の年としたい考えです。さらには、幾つかの仕事のバトンを人に渡し、新しい組織に生まれ変わる準備期間としての1年と考えています。そして来年からの新たな10年は、きっと自分が歩んだ10年とは大きく異なる世界になるだろう。一般に10年続いた会社が次の10年を生きられる確率は0.4%と言います。 
つまり、これからが正念場です。必ず我々は10年後に20周年を迎え、今以上の価値を社会に提供している企業になるでしょう。そのための話し合いとして、8月3日、会社を臨時休業とし、マイルランテック全員で勉強会と様々な話し合いを行う予定です。何卒、ご容赦ください。







2016年7月17日日曜日

PuyDuFouのクオリティー











 先週、フランスに行ってたのですが、それは1つ前のスレッドで書いた通り。その際、Moduloチームと一緒にパリから車で4時間かけて行ったのがフランスの西のほう。ロワール地方の、本当に、ど田舎にあるPuydoFouというテーマパークです。 地図 
中世をモチーフにしたテーマパークで、日本でいうところの時代劇的な内容なんですが、スケールと演出の巧みさでは、強烈な印象を与えます。しかし場所が場所だけに、フランス人しかいない。アジア人はかなり珍しいと感じました。

* 最近、悲しいテロが相次ぐフランスですが、この日は平和で牧歌的なよきフランスの風景を見ることができました。こんな素敵な国なのに、なぜテロが続いてしまうんだろう。

昼間、一見すると昔の街を再現した自然豊かな動物園?(あちこちに動物が飼育されてるので)のような印象で、自然公園みたいな内容か?と思わせておいて、野外で行うショーのスケールや、インドアショーの巧みな映像効果や数多くのトリックを埋め込んだ演出は、本当にびっくりしてしまう。

西部劇のように、海賊同士が戦うシーンでは、単に役者の殺陣だけのアクション演出かと思いきや、湖底から巨大な船が浮かびがったり、戦いの最中、巨大なファイヤーフレームが吹き出したり、城壁を前に乗馬した騎士がアクロバティックな走りを見せるだけかと思いきや、クライマックスで、それまで単なる城壁だと思っていたものが、すっぽり地面に埋め込まれ、消えてから再度、巨大な幕をまとって地面からせり出したりとか、本当の城とおもっていたら、実は100トンものその城が自走して前にせり出して、炎を吹き出すとか、そんなことがありえるのか?という動きがあるから、びっくりしてしまうのです。演出のスケールはとんでもなく大規模です。

圧巻は夜に行われる世界最大規模だろう野外劇で、1000人ものボランティアが参加するその劇では、思いつく限りのトリックがふんだんに使われており、こうした演出に慣れた自分でさえ、最後まで飽きずに驚かされます。確かに、テクニカルディレクターの言うように、まるで映画の中の世界をリアルに見せるというコンセプトそのままに、そんなことがありえるのか?と思える演出をこのテーマパークはリアル空間で見せてくれます。

これまで、ディズニーランドやユニバーサルといったアメリカのテーマパークに慣れた典型的日本人としては、世界にはまだ知らないけれど、もっとユニークな演出やテーマパークがあることを認識させられた事と、アメリカばかりに目が行ってしまう日本は、もう少しアメリカ万歳みたいな価値観はゆるめてもいいんじゃないかと思う。この国はまるで国民の価値観や心がアメリカの植民地に住まう市民みたいだと自分は思う。

最近、入社した社員が、うちにはフランス製品が多いですね。と話し、ああそういえば、付き合う人もフランスが多い気がする。しかし、これは別にそうしたいからではなく、自然とそうなったと思う。ある意味、運命的なものも感じたりするんです。。
 2005年に愛知万博でフランス人チームと一緒に仕事しなければ、そのフランス人に勧められて、カナダ館を見に行かなければ、今の会社もなかったかもしれないし。今の状況は、ある意味、創業者の宿命によるものですね。

2016年7月8日金曜日

仕事のステージを変えるという事

 










 7月に入り、またもパリに来ています。今回はModulo社にて、新製品の勉強と、また
フランス国内の大きなテーマパークPuyduFou で同社製品が活用された事例を視察するというのが目的です。そんなわけで、写真はModuloPi社の近く、モントルイユの街角の風景

 http://www.puydufou.com/en/

今回のフランス訪問は、社員2名を連れての訪問で、ますます難しくなるメディアサーバーソフトウェアの理解について、それらを私以外の若い才能に任せるとともに、今後のマイルランテックの1つのパートを託す想いから実現しました。いつまでも、自分だけが(俺が俺が)という我を通すのではなく、あっさりと捨てて、自分を追い込むという自分の哲学を実践してみようと。。そんな感じです。

昔から自分には一貫した行動理念として、1つの仕事にしがみつかない、若手に道を譲り、あえて自分を追い込むことで、自分の価値を新たに作り出すように努力するというものがあります。自虐的で、時に怖くて守りに入りたくなる状況もあるのですが、あえて自分の得意としている仕事、好きな仕事、安定してきた状態を破壊する。そして、新たな世界へ向かって動きだすきっかけにするわけです。なんだか言い方は、大げさですが、例えばフリーランスの頃、当時の主要な収入源を絶ち、1つの仕事に賭けたことがありますが、その際も、とんでもなくお金に困り、辛かったけれど、新しい仕事を手に入れる結果になった。

経験則ではあるのですが、新たな価値、新たな何かを生み出すには、古いものや安定した環境を破壊する行為が効果的で、古いものを破壊した中にイノベーションの芽を見つけることができると自分は信じています。 だから安定して落ち着いてきたら、そわそわし出し、なんとか今の状況を変えられないか?考えを巡らします。そうした試みの先に、大事な時代の変化のタイミングに気づき、何かをつかんできました。もしかしたら、失うことが大きいのかもしれないし、失敗することもあるかもしれないけれど、多分今後も、自分はそういう選択をするだろうと思います。たとえ社長という立場でさえも、より優秀な人がいるなら、その人に任せたい。自分は自分のポジションにしがみつきたくない。

今回、実は自分が惚れ込んだモデューロという製品を、自分が扱うのではなく、新しい才能に任せる決意があり、また海外の会社とのコミュニケーションも自分ではない人、新たに担当者を作ってみようと考えてみました。おそらく、これは輸入販売を続けて10年が経過し、これまで自分がやってきた仕事が安定してきた結果、自分の中に自分をクビにしたい思いが沸き起こってきたのかなと感じます。もちろん、自分の仕事を人に任せることで、
自分の価値は一体なんだろうと、自問自答することになるのですが、その答えを見つけるために、新たなステージへ自分を上げていかねばならないと考えています。それが実現できたら、また自分は仕事を続けていける。そうでなければ、価値のない人になっていくんだろうな。そのときは惨めだろうなと想像します。




2016年6月10日金曜日

infocomm@ラスベガス

 








 もう何度、この景色を眺めただろう。ギラギラネオンのラスベガス。
いつもはLDIで来るラスベガスも、今年はいろいろあってinfocommです。昨日の1日目で、一通り見たものの、個人的にはやはりオランダのISEが面白い。とは言え、その規模ははるかにLDIよりでっかい。まさに映像と音響機器の展示会です。見所は数多くあります。

ここのところ、出張が続き、かなり疲れ気味に加え、1日目は日本からの電話が連続し、寝ることができなかったため、ほぼノックダウン。早々に切り上げて寝ることにしました。
若い頃は、ラスベガスのパワーに興奮して、様々なショーを見て歩いたり、ほぼすべてのホテル内を散策したり、有名なショーを見に行ったりと忙しかったですが、今はおとなしくなりました。ゴルフの趣味もなく、ギャンブルも好きではないので、あまり自分に合った場所ではないのかもしれません。もっとエナジーを放出しまくるギラギラ中年だったら、楽しめたのに。。という場所な気がします。

さて、Barcoに吸収されたMedialonですが、ショーコントロール製品など、これまで通りで、うちは平常運転でいくつもりですが、逆に有名な企業に入ったことで、賑やかになる部分もあるかもしれません。ある意味、メジャーな印象になりますよね。おそらく、今まで以上に映像業界の方には、Medialonの名前というか製品名かな?ショーマスターとかMedialonマネージャーなどの名前は広まる可能性を感じます。

自分が昔、舞台照明に関わっていたこともあり、うちの会社のイメージは照明バックグラウンドが強いですが、メディアサーバーやネットワーク製品で、以前よりもこっちの業界へのつながりは強くなっていると思います。是非、今まで躊躇されていた方々にも、Medialonのショーコントローラーを試していただきたく思います。



2016年6月2日木曜日

ベルギーにて

 







2〜3日の短い滞在でしたが、久しぶりにLuminex社を訪問することができました。
つい数日前には沖縄にいたため、オランダに降り立った時の気温の変化に体がびっくりしてしまいます。(まだブリュッセルの空港は正常に戻らないため、オランダのスキポールに降りました)空港の出口を出て、Luminex社のCEO、Bart氏を見つけた時は、安堵感とまた、懐かしさの入り混じる複雑な感情が湧きます。本当に好青年だと思います。

残念ながら、日曜は雨で、オランダからベルギーへ向かう車中も、雨模様の景色。気持ちも暗くなります。しかしながらミーティング当日は天気も回復し、ベルギーの森の中を散策することもできました。ミーティングは非常に勉強にもなったし、良い時間を過ごせたなと思います。そして、ようやく5月末、GigaCore26iが出荷されていくのを確認しました。長らく待たされた製品が当社にも届きます。



2016年5月19日木曜日

Medialonについて(マイアミから)










 しばらくぶりの投稿です。随分と長い時間が経過しましたが、確かに、最近、落ち着いてブログを書く時間は、減ってきているようにおもいます。そろそろこのブログもギブアップかなあと感じるこの頃ですが、新入社員の面接などをしていると、意外と読んでいただき、うちの仕事を知るのにも役立っているようなので、今回見たく、時々アップできればとおもいます。

さて本題ですが、私は今、マイアミに来ています。そうフロリダの先端。海を渡ればそこにはキューバがあります。初めてフロリダに来たのは98年のオーランド以来、そしてマイアミは初めての訪問です。もちろん遊びではなく、今回はMedialon社の訪問が目的です。

つい最近、そのMedialonがBARCO社に買収されたというニュースが流れて、今後の展開が期待と不安に包まれて、若干、ビッグネームによる買収ということで、逆にMedialonの日本での認知度が上がったんじゃないか?という炎上マーケティングみたいな印象もあったりはしたのですが、さほどネガティブなことではなく、反響の大きくなりすぎたOvertureの扱いが難しくなり、最終的にBarco社にお世話になることを選んだようです。

あまり先のことまではわかりませんが、今はまだ、Medialonのショーコントロール分野においては、今後も変わらず、Medialon社が行うことになっており、当社も継続してMedialon社製品を日本で扱うことになります。というのが答えです。確かに資本が変わったのは、会社にとっては大きな変化ではありますが、今すぐに何かが起こるわけではなく、ショーコントロールという特殊な分野の製品販売については、ニッチマーケットということもあり、これまで通りになると考えてよいかとおもいます。

改めて振り返ると、当社とMedialoの付き合いは2009年から始まっており、すでに長いおつきあいになりました。今年、Barco社の一員になったMedialonですが、 ブランドとしては変わらず残るし、思い入れのある私としては、今後も変わらず、Medialonを応援し続けたいとおもいます。

余談ですが、今、世界は大きく変化していますね。なんだかまた楽しくなってきました。
また改めて、新製品のOvertureの世界観なども、お伝えできれば嬉しく思いますが、今日はこのへんで。。





2016年2月15日月曜日

変わりゆくショー技術の仕組み













 先週1週間アムステルダムにいました。恒例の展示会視察です。
いつもは、わりとしっかりしている自分ですが、初日に携帯電話を失くしてしまい、かなりブルーな気分で過ごすはめになりました。加えて夜中まで遊んだせいで、ひどく酔ってしまったのも、きっと、どこかに心の隙があったせいです。お世話になっている方々にはご迷惑おかけします。(会社にご連絡ください)

このオランダで開催される展示会Integrated System Europe はAV制御やITテクノロジー分野の展示会です。毎年、拡大している印象で、まさにシステムインテグレートという仕事をされる人には必見の展示会だと思います。数年前は、さほど日本のイベント及びショー産業の方々は見かけなかったと記憶しますが、今年は日本から多数の映像業界の方々がお見えになっており、日本でも注目度が高まっている感じです。今後も重要な展示会になることは間違いないですね。

この数年のトレンドに業界の集約化が感じられますが、この展示会でもエンターテイメント産業に属するさまざまな分野の製品が互いにコミュニケーションをとり、連携した演出を組み立てる可能性を感じる展示が見られました。基盤技術がITとなり、追いかけるべき指標が同じになった今、それは避ける事ができず、エンターテイメント産業全体で、Unified Communicationというキーワードが聞こえてくるようになるでしょう。

さらにこれらは複雑に絡み合う形で進化すると自分は予想しており、演出のデザイン現場から検証作業(プレゼンテーション)とさらに実際のコントロールまで1つのフローとして、映像や照明、舞台美術までが一貫してつながる様子がイメージできます。これらは間違いなくITという基礎技術の上で1つにつながっていくものでしょう。




2016年1月23日土曜日

ショー演出のクオリティーコントロールという概念





 








先週末は、2010年以来、疎遠になっていた光和さんの内覧会への参加、しかも新社屋で開催する初の内覧会でした。前回は、カタリストによる変形スクリーンへのマッピング演出で、イベントスペースのみの参加でしたが、今回はしっかりと当社ブースも置いていただき、関係者の方々には心より、お礼を申し上げます。

 2010年の展示

今年のショー演出は、マイルランテック創業以来の悲願であるショー制御のデジタルソリューションとトータルショーコントロールのコンセプト披露です。ようやくメジャーな場所で、しっかりした演出機器とともに、披露することができました。


 http://www.mileruntech.com/report.html


接続された機器のほぼすべてが、イーサネットによる接続で、Luminex社のギガコアで構築されたネットワークインフラ上でMedialoからのコマンドを受け取り動作します。

Medialonマネージャータイムラインには、キューメッセージなどが置かれ、キュー進行ととともに変化するショーの状況をキューメッセージでパネル画面に表示します。これにより、タイムコードをただ流すだけの同期演出とは異なり、画面に表示されるキューにより、出演者への指示も可能で、大多数の出演者がかかわるオリンピックゲームのような演出においても、トランシーバーやインカムではなく、キューランプとメッセージを1つのタイムラインで管理し、映像や照明演出に連動させることができます。これはネットワークインフラがあれば、任意の場所に設置が可能で、映像を伝送するのではなく、MedialonのパネルソフトがインストールされたPCを接続するだけで、どこにでもショーのタイムラインに連動した画面が表示できます。






これこそがトータルショーコントロールであり、今回は照明卓をOSCでトリガーし、映像プレイヤーのプレイバックとスイッチャーのテイクをTCPで制御しましたが、これに特殊効果や、機構の制御も加えることが可能です。そして画面を表示するだけでなく、必要であればステージ袖に緊急時のプランBやCヘの切り替えスイッチを作ることも可能です。これらは特別な装置などを必要とせず、コンピューターを使うことで、制御のインフラはイーサネットだけでいいのです。


 今回使用した機器

 ・Pandoras Box   
 ・Modulo Player
 ・Catalyst   
 ・Grass Valley T2
 ・Resolume Arena(ソフトウェア)
 ・Barco E2 (Telnet)
 ・Christie Boxer 4K30 x2
 ・QSC Q-SYS Core
 ・Hog4 Full Boar 4

今回、披露したMedialonによる制御システムは、大規模な会場でネットワークインフラを構築した環境において、非常に効果的なシステムが作れることをお伝えできたのではないかとおもいます。そして私が考える トータルショーコントロールの概念は、下記の3つのコンセプトが含まれています。

1 ヒューマンエラーをなくし、ショーのクオリティーを一定に保つ
2 バックアップシステムへの速やかな切り替え
3 1/100秒の正確なキュー同期

この3つのコンセプトが現代のショー演出には必要であり、これこそがショーのクオリティーコントロールという概念になるのではないかと思います。もちろん現場からは、いろいろな反論が聞こえる部分ではありますが、すべてのショーとは言わないまでも、大規模な演出であったり、繰り返し行われるショーのトータル制御は絶対に必要だと思うのです。舞台演出のように、さまざまな要素が関連する場合、やはり演出を管理するシステムが必要です。それが実現したとき、ようやくセノグラフィーといった総合演出が1つにまとまることができるのではないかと思います。

そしてこれを実現するために必要なイーサネットのインフラ(Luminex、Fiberfox)、映像をリアルタイムに変化させるメディアサーバー(Catalyst、Modulo)、すべての装置をつなぐショーコントローラー(Medialon、KissBox, LumenRadio )と、私が求め続け、マイルランテックに集めた製品のすべてが、これを実現するために必要だったわけです。今、ようやくスタートラインにたどり着いた。そんな心境とともに、今回の展示会を終えることができました。







2016年1月14日木曜日

Fiberfoxの価格も大きく値下げ

 

 Fiberfox 社サイト

 すでにご存知の通りですが、EBCコネクター(エクスパンドビームコネクター)を使用したミリタリーケーブルを製造するファイバーフォックス社は、コネクターのデザインと材質を大きく変更し、赤い色のコネクターで販売しております。

この新しいコネクター登場により、ファイバーフォックス製品の値段が大きく下げられました。そこで、当社の定価も改訂となり、今までよりもかなりお安い価格で提供できるようになります。(今月からのご注文にも対応します。)

また、ファイバーフォックスのレセプタクルは、そのマウントサイズをノイトリック社のオプティカルコン に合わせてリサイズされており、特別なマウントパネルを必要とせず、市販のオプティカルコン用ホールが空いたパネルにマウント可能です。


GigaCore26i登場と新しいファームウェア







Luminex社のサイト

ギガコアシリーズの最新ファームウェアがリリースされました。
このファームウェアでは、グルーピングの切り替えが可能な、プロファイル機能が搭載され、プロファイルマネージャーからグルーピングの状態を事前に登録した任意の状態に切り替えることが可能です。また、音響業界向けの大きな変化としては、PTPv2へ対応したことにより、正式にAES67対応製品と呼べるかと思います。

これら新しい機能については、音響業界だけでなく、照明業界でも非常に便利且つ、使いやすいエンターテイメント産業に特化したネットワークスイッチと呼べると思います。
また、この新しいハードウェアの登場により、ギガコアシリーズ全体で価格改定がありました。これはギガコア26iというイーサコン仕様ではない、一般のスイッチに近い見た目の新しい製品投入タイミング(2月下旬を予定)に合わせ、ギガコア全体の値段見直しが行われた結果によるものですが 当社としては、26i の登場を待たず、今月15日以降のご注文から、新しい価格でギガコアをご提供していくつもりです。すでに、代理店の方々にはお知らせしてますが、価格は大きく値下げになっております。これで、今まで購入をためらっていた方も買いやすい価格になるのではないかと思います。





2016年1月8日金曜日

照明業界のスタンダードプロトコルという無意味な議論

 今になると、もはや無意味だなあと思う事の1つに、照明業界のイーサネットベースプロトコルについての議論があります。もはや1つに統一する必要もなく、皆が共存する時代にあって、いつかはACNへと進化の途上であるのに、世の中には、どうしても1つのプロトコルに統一しないと気が済まない人がいる。もう不思議でなりません。
 sACN、Sandnet、Artnet、それから各種プロプライエタリープロトコルなど、それらのどれか1つに限定しないと落ち着かないという。。しかも、私はなぜか、アートネットの伝道師に位置づけられて、アートネットを流行らせようとする悪人扱い。。それは違うと言いたいです。

私の考えはこうだ。当時、フリーで簡単でもっとも多くの機材がサポートするのがアートネットだから、便利でしょう? 活用しましょうよ。 これが数年前の状況。。そしてその後、sACNも普及してきたとき、じゃあ両方サポートしときましょうよ。どんな機材でもつながるから。。そのほうが便利でしょ? (これもすでに過去の話です。)

そして今は、MAnetもHog-Netも、そしてArtnetだろうがsACN だろうが、なんでもいいです。使いたいプロトコルを使えばいいじゃないですか?そしてノードみたいな製品は、フリーのプロトコルを複数サポートしておけば、どこでも使えるでしょ?便利ですよ、そのほうが。。という状況。

決して、一度もアートネットだけをことさら持ち上げた記憶はないんですが、なぜかアートネットの人に分類されているらしい。変な話です。なぜならLuminexのノードはかなり昔からsACNもサポートしています。正直、今では、DMXを伝送するだけなら、なんでもいいや。というのが本音で、ネットワークスイッチでグルーピングしてマルチプロトコルを共存させましょう。というのが今の持論です。

やがて、これらはACNに進化していくんでしょうけど、まだまだ当分はこの状況なんじゃないでしょうか?そして、RDMに関しては、昔ほどの発展や可能性は感じられなくなり、
この点だけは、私がRDMに期待しすぎたなあと反省している次第です。




2016年1月7日木曜日

ilumo輸入に関して

 2016年最初のお知らせが、4年前に出会い、私にカラーキャリブレーションの重要性に気づくきっかけを与えてくれた ”ilumoZoomSpot”の輸入販売を他社に譲るという不本意なお知らせなのは、2016年の当社にとって大きな変化の1つであり、この結果は、ユーザーの方々にとってもまた、ilumoを製造するInnovationLED ( 旧Lumonic )にとっても、いい結果になるだろうと思います。

ilumo輸入販売に関してのお知らせ

今年から、ilumoZoomSpotLED及び、Innovation LED社製品の輸入販売はすべてPCライツさんから行われることになり、当社はilumoの輸入販売からは完全に撤退することになります。ご購入いただいたユーザーの方々には心より感謝申し上げるとともに、今後は追加のご注文も、また製品サポートについても直接、PCライツさんにご依頼いただけるようお願い申し上げます。

今後もilumoは継続して開発されますので、追加オーダーも可能ですし、今年、新製品も誕生する予定です。これら新製品はすべてilumoと同じカラーキャリブレーション技術が活用されており、非常に高いクオリティーのLED照明制御を提供してくれます。
今後も、イノベーションLED社の開発する製品にご期待ください。

 色彩の夢を実現するilumo


2016年1月3日日曜日

2016年のはじまりに(改革の足音)












新年明けましておめでとうございます。
旧年中も、皆様方には変わらぬご支援とご愛顧をいただき、心より厚く御礼申し上げます。今年、マイルランテックは個人事業時代から数え10年目となり、法人としては、9年目に入ります。こうして仕事を続けてこれたことは、皆様方のご支援のおかげであり、ここで改めて御礼申し上げます。

毎年、恒例ではありますが、このブログではこうした新年のご挨拶とともに、昨年を振り返りつつ、今年の目標や決意などを記してまいりましたので、今年も同様、昨年のマイルがどうであったかなどを振り返りつつ、今年の方向性などを少し書いてみたいと思います。

昨年1月に当ブログで記した通り、2015年、マイルランテックは数多くの変化を経験することになりました。Catalystとそれを取り巻く環境の変化、Luminex製品の流通拡大、九州営業所の開設、Moduloという新規商材の投入、そして新卒採用など、確かに2015年はいろいろな変化が起こった年であります。しかし、これは2014年、個人的に感銘を受けた無常迅速という言葉に端を発した残された時間はわずかという想いから、マイルランテックに大きな改革を起こそうと行動した結果であり、14年と15年の2年間は、つながっているうえに、もがき、苦しんだ暗闇の中の2年でもありました。そして、その流れが続く2016年の今年は、これまでの失敗や気づきを踏まえた上での2年間の清算と改革完了の年になるだろうと期待を込めて予想します。

今年、こうした変化の象徴として、WEBサイトを更新しました。当社のメインサイトは新しく生まれ変わり、当社のソリューション情報を提供するページに変更、製品販売については別サイトであるMRTE(マイルランテックイクイップメント)に集約されました。この変化については、自分自身のこだわりをすてることができた結果で、一歩前進した感があります。今後、製品情報などは、すべてMRTEサイトのほうで取り扱うようになります。どうぞよろしくお願いします。

製品販売に関連して、今月、当社はMedialonのシステムソリューションを光和さんの内覧会に展示するとともに、ショーコントロールソリューションのさまざまな提案をお伝えしていきたいと思います。この内覧会では、Medialon製品の活用方法などを、ご紹介できたらと思います。さらに、その翌週には、JATETの展示会にLuminex社のニュースイッチGigaCore26i を展示します。そして、このLuminexの新しい製品発表に伴い、GigaCoreシリーズは価格が改訂され、よりお求めやすい値段に変更されます。価格については、改めご連絡していきます。

今年、当社は創業当時より追い求めてきた映像と照明のための制御システムを進化させ、トータルショーコントロールと呼ぶ自らが追い求めてきた世界で、当社の能力を活かしていきたいと考えています。よりよいシステム制御製品をご提供しつつも、これら製品を組み合わせたソリューションの提供を行うのが理想であり、当社の悲願でもあります。個人的に今年は、マイルランテックが、次の10年を生きるための礎になる大事な年だと感じており、これを実現するためのパートナーの発見と、人財の発掘、そして彼らとともに、新たな挑戦が実現するかどうか?これが今年の一番の課題になるのでしょう。これからの10年、マイルランテックは次の20周年を祝福で迎えられるよう、さらなるイノベーションを実現させていきます。本年も何卒、よろしくお願いいたします。