2016年7月24日日曜日

10周年

 会社を創業してとうとう9年(9期)が終わりました。個人事業の時代をいれるとちょうど10年。あっという間でしたが、自分が目標としていた歳月が流れ、1つの時代を走り抜けた感があります。当初は一人で始めた仕事でしたが、3年後には3人となり、5年後には7人まで増えて、今年は9人になります。去った人、新しく加わった人、いろいろありましたが、今は今のマイルランテックがある。次の10年をまた気持ちを新たに一緒に走ってくれる仲間を募集し、今年の目標であった社員構成が完了しました。

数年前から、新しい才能に加わってもらうことで、会社の空気を変えたい。新しい仕事に取り組みたいという思いがありました。もう、後ろを振り返って愚痴をこぼしているのはやめて、気持ちよく仕事ができる才能をもった人と出会いたい。そう強く願い、今の形が出来上がった。きっとマイルランテックはまた、おもしろい事をやれる。新しい仕事に取り組めると考えています。今や自分でできないことばかりとなり、才能豊かな人に未来の仕事に取り組んでもらわねばなりません。

個人的に、今年は自分が考えた様々な改革の完了の年としたい考えです。さらには、幾つかの仕事のバトンを人に渡し、新しい組織に生まれ変わる準備期間としての1年と考えています。そして来年からの新たな10年は、きっと自分が歩んだ10年とは大きく異なる世界になるだろう。一般に10年続いた会社が次の10年を生きられる確率は0.4%と言います。 
つまり、これからが正念場です。必ず我々は10年後に20周年を迎え、今以上の価値を社会に提供している企業になるでしょう。そのための話し合いとして、8月3日、会社を臨時休業とし、マイルランテック全員で勉強会と様々な話し合いを行う予定です。何卒、ご容赦ください。







2016年7月17日日曜日

PuyDuFouのクオリティー











 先週、フランスに行ってたのですが、それは1つ前のスレッドで書いた通り。その際、Moduloチームと一緒にパリから車で4時間かけて行ったのがフランスの西のほう。ロワール地方の、本当に、ど田舎にあるPuydoFouというテーマパークです。 地図 
中世をモチーフにしたテーマパークで、日本でいうところの時代劇的な内容なんですが、スケールと演出の巧みさでは、強烈な印象を与えます。しかし場所が場所だけに、フランス人しかいない。アジア人はかなり珍しいと感じました。

* 最近、悲しいテロが相次ぐフランスですが、この日は平和で牧歌的なよきフランスの風景を見ることができました。こんな素敵な国なのに、なぜテロが続いてしまうんだろう。

昼間、一見すると昔の街を再現した自然豊かな動物園?(あちこちに動物が飼育されてるので)のような印象で、自然公園みたいな内容か?と思わせておいて、野外で行うショーのスケールや、インドアショーの巧みな映像効果や数多くのトリックを埋め込んだ演出は、本当にびっくりしてしまう。

西部劇のように、海賊同士が戦うシーンでは、単に役者の殺陣だけのアクション演出かと思いきや、湖底から巨大な船が浮かびがったり、戦いの最中、巨大なファイヤーフレームが吹き出したり、城壁を前に乗馬した騎士がアクロバティックな走りを見せるだけかと思いきや、クライマックスで、それまで単なる城壁だと思っていたものが、すっぽり地面に埋め込まれ、消えてから再度、巨大な幕をまとって地面からせり出したりとか、本当の城とおもっていたら、実は100トンものその城が自走して前にせり出して、炎を吹き出すとか、そんなことがありえるのか?という動きがあるから、びっくりしてしまうのです。演出のスケールはとんでもなく大規模です。

圧巻は夜に行われる世界最大規模だろう野外劇で、1000人ものボランティアが参加するその劇では、思いつく限りのトリックがふんだんに使われており、こうした演出に慣れた自分でさえ、最後まで飽きずに驚かされます。確かに、テクニカルディレクターの言うように、まるで映画の中の世界をリアルに見せるというコンセプトそのままに、そんなことがありえるのか?と思える演出をこのテーマパークはリアル空間で見せてくれます。

これまで、ディズニーランドやユニバーサルといったアメリカのテーマパークに慣れた典型的日本人としては、世界にはまだ知らないけれど、もっとユニークな演出やテーマパークがあることを認識させられた事と、アメリカばかりに目が行ってしまう日本は、もう少しアメリカ万歳みたいな価値観はゆるめてもいいんじゃないかと思う。この国はまるで国民の価値観や心がアメリカの植民地に住まう市民みたいだと自分は思う。

最近、入社した社員が、うちにはフランス製品が多いですね。と話し、ああそういえば、付き合う人もフランスが多い気がする。しかし、これは別にそうしたいからではなく、自然とそうなったと思う。ある意味、運命的なものも感じたりするんです。。
 2005年に愛知万博でフランス人チームと一緒に仕事しなければ、そのフランス人に勧められて、カナダ館を見に行かなければ、今の会社もなかったかもしれないし。今の状況は、ある意味、創業者の宿命によるものですね。

2016年7月8日金曜日

仕事のステージを変えるという事

 










 7月に入り、またもパリに来ています。今回はModulo社にて、新製品の勉強と、また
フランス国内の大きなテーマパークPuyduFou で同社製品が活用された事例を視察するというのが目的です。そんなわけで、写真はModuloPi社の近く、モントルイユの街角の風景

 http://www.puydufou.com/en/

今回のフランス訪問は、社員2名を連れての訪問で、ますます難しくなるメディアサーバーソフトウェアの理解について、それらを私以外の若い才能に任せるとともに、今後のマイルランテックの1つのパートを託す想いから実現しました。いつまでも、自分だけが(俺が俺が)という我を通すのではなく、あっさりと捨てて、自分を追い込むという自分の哲学を実践してみようと。。そんな感じです。

昔から自分には一貫した行動理念として、1つの仕事にしがみつかない、若手に道を譲り、あえて自分を追い込むことで、自分の価値を新たに作り出すように努力するというものがあります。自虐的で、時に怖くて守りに入りたくなる状況もあるのですが、あえて自分の得意としている仕事、好きな仕事、安定してきた状態を破壊する。そして、新たな世界へ向かって動きだすきっかけにするわけです。なんだか言い方は、大げさですが、例えばフリーランスの頃、当時の主要な収入源を絶ち、1つの仕事に賭けたことがありますが、その際も、とんでもなくお金に困り、辛かったけれど、新しい仕事を手に入れる結果になった。

経験則ではあるのですが、新たな価値、新たな何かを生み出すには、古いものや安定した環境を破壊する行為が効果的で、古いものを破壊した中にイノベーションの芽を見つけることができると自分は信じています。 だから安定して落ち着いてきたら、そわそわし出し、なんとか今の状況を変えられないか?考えを巡らします。そうした試みの先に、大事な時代の変化のタイミングに気づき、何かをつかんできました。もしかしたら、失うことが大きいのかもしれないし、失敗することもあるかもしれないけれど、多分今後も、自分はそういう選択をするだろうと思います。たとえ社長という立場でさえも、より優秀な人がいるなら、その人に任せたい。自分は自分のポジションにしがみつきたくない。

今回、実は自分が惚れ込んだモデューロという製品を、自分が扱うのではなく、新しい才能に任せる決意があり、また海外の会社とのコミュニケーションも自分ではない人、新たに担当者を作ってみようと考えてみました。おそらく、これは輸入販売を続けて10年が経過し、これまで自分がやってきた仕事が安定してきた結果、自分の中に自分をクビにしたい思いが沸き起こってきたのかなと感じます。もちろん、自分の仕事を人に任せることで、
自分の価値は一体なんだろうと、自問自答することになるのですが、その答えを見つけるために、新たなステージへ自分を上げていかねばならないと考えています。それが実現できたら、また自分は仕事を続けていける。そうでなければ、価値のない人になっていくんだろうな。そのときは惨めだろうなと想像します。