2016年1月23日土曜日

ショー演出のクオリティーコントロールという概念





 








先週末は、2010年以来、疎遠になっていた光和さんの内覧会への参加、しかも新社屋で開催する初の内覧会でした。前回は、カタリストによる変形スクリーンへのマッピング演出で、イベントスペースのみの参加でしたが、今回はしっかりと当社ブースも置いていただき、関係者の方々には心より、お礼を申し上げます。

 2010年の展示

今年のショー演出は、マイルランテック創業以来の悲願であるショー制御のデジタルソリューションとトータルショーコントロールのコンセプト披露です。ようやくメジャーな場所で、しっかりした演出機器とともに、披露することができました。


 http://www.mileruntech.com/report.html


接続された機器のほぼすべてが、イーサネットによる接続で、Luminex社のギガコアで構築されたネットワークインフラ上でMedialoからのコマンドを受け取り動作します。

Medialonマネージャータイムラインには、キューメッセージなどが置かれ、キュー進行ととともに変化するショーの状況をキューメッセージでパネル画面に表示します。これにより、タイムコードをただ流すだけの同期演出とは異なり、画面に表示されるキューにより、出演者への指示も可能で、大多数の出演者がかかわるオリンピックゲームのような演出においても、トランシーバーやインカムではなく、キューランプとメッセージを1つのタイムラインで管理し、映像や照明演出に連動させることができます。これはネットワークインフラがあれば、任意の場所に設置が可能で、映像を伝送するのではなく、MedialonのパネルソフトがインストールされたPCを接続するだけで、どこにでもショーのタイムラインに連動した画面が表示できます。






これこそがトータルショーコントロールであり、今回は照明卓をOSCでトリガーし、映像プレイヤーのプレイバックとスイッチャーのテイクをTCPで制御しましたが、これに特殊効果や、機構の制御も加えることが可能です。そして画面を表示するだけでなく、必要であればステージ袖に緊急時のプランBやCヘの切り替えスイッチを作ることも可能です。これらは特別な装置などを必要とせず、コンピューターを使うことで、制御のインフラはイーサネットだけでいいのです。


 今回使用した機器

 ・Pandoras Box   
 ・Modulo Player
 ・Catalyst   
 ・Grass Valley T2
 ・Resolume Arena(ソフトウェア)
 ・Barco E2 (Telnet)
 ・Christie Boxer 4K30 x2
 ・QSC Q-SYS Core
 ・Hog4 Full Boar 4

今回、披露したMedialonによる制御システムは、大規模な会場でネットワークインフラを構築した環境において、非常に効果的なシステムが作れることをお伝えできたのではないかとおもいます。そして私が考える トータルショーコントロールの概念は、下記の3つのコンセプトが含まれています。

1 ヒューマンエラーをなくし、ショーのクオリティーを一定に保つ
2 バックアップシステムへの速やかな切り替え
3 1/100秒の正確なキュー同期

この3つのコンセプトが現代のショー演出には必要であり、これこそがショーのクオリティーコントロールという概念になるのではないかと思います。もちろん現場からは、いろいろな反論が聞こえる部分ではありますが、すべてのショーとは言わないまでも、大規模な演出であったり、繰り返し行われるショーのトータル制御は絶対に必要だと思うのです。舞台演出のように、さまざまな要素が関連する場合、やはり演出を管理するシステムが必要です。それが実現したとき、ようやくセノグラフィーといった総合演出が1つにまとまることができるのではないかと思います。

そしてこれを実現するために必要なイーサネットのインフラ(Luminex、Fiberfox)、映像をリアルタイムに変化させるメディアサーバー(Catalyst、Modulo)、すべての装置をつなぐショーコントローラー(Medialon、KissBox, LumenRadio )と、私が求め続け、マイルランテックに集めた製品のすべてが、これを実現するために必要だったわけです。今、ようやくスタートラインにたどり着いた。そんな心境とともに、今回の展示会を終えることができました。







2016年1月14日木曜日

Fiberfoxの価格も大きく値下げ

 

 Fiberfox 社サイト

 すでにご存知の通りですが、EBCコネクター(エクスパンドビームコネクター)を使用したミリタリーケーブルを製造するファイバーフォックス社は、コネクターのデザインと材質を大きく変更し、赤い色のコネクターで販売しております。

この新しいコネクター登場により、ファイバーフォックス製品の値段が大きく下げられました。そこで、当社の定価も改訂となり、今までよりもかなりお安い価格で提供できるようになります。(今月からのご注文にも対応します。)

また、ファイバーフォックスのレセプタクルは、そのマウントサイズをノイトリック社のオプティカルコン に合わせてリサイズされており、特別なマウントパネルを必要とせず、市販のオプティカルコン用ホールが空いたパネルにマウント可能です。


GigaCore26i登場と新しいファームウェア







Luminex社のサイト

ギガコアシリーズの最新ファームウェアがリリースされました。
このファームウェアでは、グルーピングの切り替えが可能な、プロファイル機能が搭載され、プロファイルマネージャーからグルーピングの状態を事前に登録した任意の状態に切り替えることが可能です。また、音響業界向けの大きな変化としては、PTPv2へ対応したことにより、正式にAES67対応製品と呼べるかと思います。

これら新しい機能については、音響業界だけでなく、照明業界でも非常に便利且つ、使いやすいエンターテイメント産業に特化したネットワークスイッチと呼べると思います。
また、この新しいハードウェアの登場により、ギガコアシリーズ全体で価格改定がありました。これはギガコア26iというイーサコン仕様ではない、一般のスイッチに近い見た目の新しい製品投入タイミング(2月下旬を予定)に合わせ、ギガコア全体の値段見直しが行われた結果によるものですが 当社としては、26i の登場を待たず、今月15日以降のご注文から、新しい価格でギガコアをご提供していくつもりです。すでに、代理店の方々にはお知らせしてますが、価格は大きく値下げになっております。これで、今まで購入をためらっていた方も買いやすい価格になるのではないかと思います。





2016年1月8日金曜日

照明業界のスタンダードプロトコルという無意味な議論

 今になると、もはや無意味だなあと思う事の1つに、照明業界のイーサネットベースプロトコルについての議論があります。もはや1つに統一する必要もなく、皆が共存する時代にあって、いつかはACNへと進化の途上であるのに、世の中には、どうしても1つのプロトコルに統一しないと気が済まない人がいる。もう不思議でなりません。
 sACN、Sandnet、Artnet、それから各種プロプライエタリープロトコルなど、それらのどれか1つに限定しないと落ち着かないという。。しかも、私はなぜか、アートネットの伝道師に位置づけられて、アートネットを流行らせようとする悪人扱い。。それは違うと言いたいです。

私の考えはこうだ。当時、フリーで簡単でもっとも多くの機材がサポートするのがアートネットだから、便利でしょう? 活用しましょうよ。 これが数年前の状況。。そしてその後、sACNも普及してきたとき、じゃあ両方サポートしときましょうよ。どんな機材でもつながるから。。そのほうが便利でしょ? (これもすでに過去の話です。)

そして今は、MAnetもHog-Netも、そしてArtnetだろうがsACN だろうが、なんでもいいです。使いたいプロトコルを使えばいいじゃないですか?そしてノードみたいな製品は、フリーのプロトコルを複数サポートしておけば、どこでも使えるでしょ?便利ですよ、そのほうが。。という状況。

決して、一度もアートネットだけをことさら持ち上げた記憶はないんですが、なぜかアートネットの人に分類されているらしい。変な話です。なぜならLuminexのノードはかなり昔からsACNもサポートしています。正直、今では、DMXを伝送するだけなら、なんでもいいや。というのが本音で、ネットワークスイッチでグルーピングしてマルチプロトコルを共存させましょう。というのが今の持論です。

やがて、これらはACNに進化していくんでしょうけど、まだまだ当分はこの状況なんじゃないでしょうか?そして、RDMに関しては、昔ほどの発展や可能性は感じられなくなり、
この点だけは、私がRDMに期待しすぎたなあと反省している次第です。




2016年1月7日木曜日

ilumo輸入に関して

 2016年最初のお知らせが、4年前に出会い、私にカラーキャリブレーションの重要性に気づくきっかけを与えてくれた ”ilumoZoomSpot”の輸入販売を他社に譲るという不本意なお知らせなのは、2016年の当社にとって大きな変化の1つであり、この結果は、ユーザーの方々にとってもまた、ilumoを製造するInnovationLED ( 旧Lumonic )にとっても、いい結果になるだろうと思います。

ilumo輸入販売に関してのお知らせ

今年から、ilumoZoomSpotLED及び、Innovation LED社製品の輸入販売はすべてPCライツさんから行われることになり、当社はilumoの輸入販売からは完全に撤退することになります。ご購入いただいたユーザーの方々には心より感謝申し上げるとともに、今後は追加のご注文も、また製品サポートについても直接、PCライツさんにご依頼いただけるようお願い申し上げます。

今後もilumoは継続して開発されますので、追加オーダーも可能ですし、今年、新製品も誕生する予定です。これら新製品はすべてilumoと同じカラーキャリブレーション技術が活用されており、非常に高いクオリティーのLED照明制御を提供してくれます。
今後も、イノベーションLED社の開発する製品にご期待ください。

 色彩の夢を実現するilumo


2016年1月3日日曜日

2016年のはじまりに(改革の足音)












新年明けましておめでとうございます。
旧年中も、皆様方には変わらぬご支援とご愛顧をいただき、心より厚く御礼申し上げます。今年、マイルランテックは個人事業時代から数え10年目となり、法人としては、9年目に入ります。こうして仕事を続けてこれたことは、皆様方のご支援のおかげであり、ここで改めて御礼申し上げます。

毎年、恒例ではありますが、このブログではこうした新年のご挨拶とともに、昨年を振り返りつつ、今年の目標や決意などを記してまいりましたので、今年も同様、昨年のマイルがどうであったかなどを振り返りつつ、今年の方向性などを少し書いてみたいと思います。

昨年1月に当ブログで記した通り、2015年、マイルランテックは数多くの変化を経験することになりました。Catalystとそれを取り巻く環境の変化、Luminex製品の流通拡大、九州営業所の開設、Moduloという新規商材の投入、そして新卒採用など、確かに2015年はいろいろな変化が起こった年であります。しかし、これは2014年、個人的に感銘を受けた無常迅速という言葉に端を発した残された時間はわずかという想いから、マイルランテックに大きな改革を起こそうと行動した結果であり、14年と15年の2年間は、つながっているうえに、もがき、苦しんだ暗闇の中の2年でもありました。そして、その流れが続く2016年の今年は、これまでの失敗や気づきを踏まえた上での2年間の清算と改革完了の年になるだろうと期待を込めて予想します。

今年、こうした変化の象徴として、WEBサイトを更新しました。当社のメインサイトは新しく生まれ変わり、当社のソリューション情報を提供するページに変更、製品販売については別サイトであるMRTE(マイルランテックイクイップメント)に集約されました。この変化については、自分自身のこだわりをすてることができた結果で、一歩前進した感があります。今後、製品情報などは、すべてMRTEサイトのほうで取り扱うようになります。どうぞよろしくお願いします。

製品販売に関連して、今月、当社はMedialonのシステムソリューションを光和さんの内覧会に展示するとともに、ショーコントロールソリューションのさまざまな提案をお伝えしていきたいと思います。この内覧会では、Medialon製品の活用方法などを、ご紹介できたらと思います。さらに、その翌週には、JATETの展示会にLuminex社のニュースイッチGigaCore26i を展示します。そして、このLuminexの新しい製品発表に伴い、GigaCoreシリーズは価格が改訂され、よりお求めやすい値段に変更されます。価格については、改めご連絡していきます。

今年、当社は創業当時より追い求めてきた映像と照明のための制御システムを進化させ、トータルショーコントロールと呼ぶ自らが追い求めてきた世界で、当社の能力を活かしていきたいと考えています。よりよいシステム制御製品をご提供しつつも、これら製品を組み合わせたソリューションの提供を行うのが理想であり、当社の悲願でもあります。個人的に今年は、マイルランテックが、次の10年を生きるための礎になる大事な年だと感じており、これを実現するためのパートナーの発見と、人財の発掘、そして彼らとともに、新たな挑戦が実現するかどうか?これが今年の一番の課題になるのでしょう。これからの10年、マイルランテックは次の20周年を祝福で迎えられるよう、さらなるイノベーションを実現させていきます。本年も何卒、よろしくお願いいたします。