2017年11月19日日曜日

モチベーションと情熱と、熱い言葉の強い相関関係への思い

 









 2017年のInterBEEが終わりました。
残念だったのは、私自身が、Luminexのブースに張り付いており、マイルランテックのブースに、全く立ち会えなかった事。。しかし、今や私抜きでマイルランテックが成立していることを、来場した方々は、実感いただけたかもしれません。

2008年、この展示会に一人で出展した時、初めてこの世界の一員になれたことに感動し、心震わした頃から、この展示会は大事な展示会であり、ここに出展できることのありがたさを感じていました。操業して以降、うちの社員にも、その事を共感して欲しくて、強く訴え続けたように思います。これまで、本当に自分なりに、お金がないなりに、工夫して続けてきた事。

社長の指示に、盲目的に従うのでなく、また昨年と同じ内容で展示をするのではなく、自ら頭を使うこと、考えること、工夫することの尊さ。それを伝え続けて、今、まさにようやく、それが実現したと思えるのは、この展示会について、2年続けて若い社員だけで企画し、社員だけで演出し、社員だけで営業をしたのは、紛れもない事実であり、その努力は、確実に実っていると言えるのです。これで、もしかしたら私は本当に過去の呪縛から解放されるかもしれない。一方通行の片思いによるストレスという呪縛

正直、私は熱いタイプの社長であり、時に鬱陶しいと感じられるかもしれない。そして、強いメッセージを社員に投げつけるし、それに呼応する社員が好きです。熱いメッセージを投げて、返ってこない、強いやる気が見えない人の場合、つい相手にするのを諦めてしまう。多分、ふてくされてしまう。間違いなく、面倒な社長だ。技術だけでなく、事務の仕事にも、同じような熱を求めてしまう。

でも、マイルの仕事の場合、感動するような情熱は大事だと思うし、情熱がなければ、このエンターテイメントに関する仕事は続かないと信じているんです。自分は会社の社長だけでなく、オーナーであり、自分が自分の会社で理想を追いかけて何が悪いだろう。自分の嫌いなタイプを集めて、お金だけを目的にする会社なんて、続ける意味なんてない。

自分が熱い思いを持たないで、人を感動させられるわけないじゃない? 熱い思いで、働いてるから、仕事が楽しいし、皆と仲間意識を共有できるんじゃないか?そうでしょう?そういうのが苦手の人もいるかもしれないが、そういう人は、あっさりした会社に転職した方がいい。情熱なんて必要ない、お金を稼ぐだけでいいという会社に。。そういう人は、絶対、うちには合わない。

熱いメッセージを受けて、強い思いで、仕事に関わってほしい。自分の頭を使い、考え、意見を出し合い、その中から感動を顧客に提案して、共感してもらって商品を買ってもらえたらいい。これはマイルランテックという会社の理想であり、社員には情熱、探求、洞察力を求めたいと今でも思うんです。

ただ、何度も頭で理解し、声に出すように、皆がそういうタイプじゃないこともわかるし、共感できない人も多数いる。だからこそ、自分は同じ感性の人を見つけるまで採用を続けるし、そうでない人には、会社を去ってもらった方が、お互いのためだということを訴えてきた。これから10年のうちに、また人は入れ替わるだろう。事実、この7年の間にも、人は数多く入れ替わった。いかに社員を採用することが難しいか、そしてその中からリーダーや右腕を見つけ、育てることが困難かを実感します。

私は、皆が一丸となって努力をするチームのような会社が好きです。そういう熱量のある会社で仕事がしたいと思う。しつこく熱いとよく言われるが、熱い言葉は、人の心に沁み入り、やがて時を経て、新しい熱を帯びて、また、別の人に伝わる。そしてそれが会社を動かす原動力になる。熱い思いと言葉と結果には相関関係があると信じる。

2017年11月7日火曜日

変化する指標

 

 歳を重ねた今だからだろうか?幼い記憶が、時折鮮やかに蘇ることがある。まだ私が幼い頃だった。人里離れた山へ遠足に行った記憶。よくある冒険とか探検という子供が憧れる類のものだ。当時、廃坑となった銅山の鉄道が街中に残っており、これをつたい、簡単に山深く入ることができた。まるで映画のスタンドバイミーのような体験だった。

子供の足ではかなりの距離だったが、野イチゴを食べたり、家から持ってきたお弁当を食べたりしながら、延々と続く錆び付いた線路を歩き続け、気づいたら山の中に不自然な大きさでたたずむ廃駅にたどり着いた。構内は広く、数多くのレールがさらに山深く消えており、それらは未だ手つかずのままそこにあって、広いその敷地では、おそらく山から下りてきた荷物が仕分けされていたであろう形跡が見て取れた。記憶では駅というより1つの町に感じたほど広大で、古めかしいけれど立派な駅舎が立ち並び、窓から覗く内部には、当時でも、年代を感じさせる食器用洗剤、ポスター、食器類、時計、机や戸棚などの家具類が、そのまま当時の雰囲気と共に保存されており、まるで今にも時間を遡り、動き出しそうなほど。。。駅は静まり返り、まるでここだけ、時間が止まって、この空間だけを密封し、一瞬にして人が消えたかのような空気が漂っていた。

この大きな駅の跡地は、今思うと、その昔、興隆 を極めた日本を代表する住友鉱山の採掘場に関連して存在した駅であり、トロッコが終着するターミナル駅だと想像できる。ここから海へ向かう貨物列車が鉱石を運んでいたのだろう。線路の途中には数多くの銅鉱石が散乱しており、それら石を割るとブルーグリーンの美しい色彩を放つ銅鉱石が確認できた。なぜ、自分がそれを知っていたか、覚えていない。ただ、それは綺麗で、自分は銅の原石だと認識していた。そんな銅山の繁栄した時代の名残。

私がそこを訪れた時には、その駅を中心に存在した街は、ほとんど人も寄りつかない遺跡のような存在になっていた。今思うと昔は華やかであったろう1つの街が、山の中に忘れられたかのように残され、鉱山の採掘という仕事のトレンドが終わりを迎えた故に、置き去りにされ、忘れ去られたその街の悲哀を感じてしまう。

そんな広い駅構内を探検していた時、何気に、駅舎の間に横たわる線路に立ち、今、来た道を振り返ると、延々に続くレールの先に、もし列車に乗ったとすれば、眺めることができたであろう線路と平行して流れる渓谷がわずかに見えて、湾曲した線路の先が、遠く街へ続く車窓の景色をイメージさせたが、そのレールの先に、すでに未来がないことも知っていた。錆び付いたレールの上に枯葉が転がり、その先のフェンスと、ただ静寂に包まれた山間の風景が、ただ悠然とそこにあって、何かの終わりを見た気がした。

いつの時代も、華やかな時代は未来永劫には続かず、その鉱山の跡地も、すでに過去の形跡でしかなかった。いつの時代もトレンドは変化し続ける。ゆえに追いかけるべき指標もその姿を変え続けるのである。それを理解していれば、いつまでも同じ仕事で生きていけるわけもないことは明白である。変化しつづける意思が生存を決める。

今、成功しても、未来に失敗すれば意味がない。成功し続けなければ、やがて時の流れとともにそれらは古びていき、ノスタルジックな色彩をまといながら、風に吹かれて砂のように舞い散るだけなのだ。今ある常識は未来の常識ではない。我々は、常に新しい指標をみつけ、向かうべき方向を再認識すべきなのだ。しかし変革を続けることの困難さは、とてつもなく重くのしかかる。これまでの成功体験が自分自身を強く縛り、自分の置かれた環境が、新しい道へ向かうのを妨げるのだ。

しかし、時代が変わり、価値観が変わり、人が入れ替わる。こうした流れの中で、一人それに抗うことなどできはしない。過去に固執せず、これまでとは異なる視点で新しいことを始めなければ、美しい光彩を放つ鉱石とともに森深く埋もれて、やがて誰からも知られることなく、存在価値が失われるだけなのだ。

たとえ過去を捨ててでも、新しい道へ歩みを進めるしか生き残ることはできない。その先に暗雲が待ち受けているとしても、歩みを止めることはすなわち、自ら終わりを選択するというだけである。。ただ、シンプルに変化し続ける時代に対応するしかなく、追いかけるべき指標を見つけることしか、他に方法はない。今、自分はそういう選択とともに苦しみ、創業から10年を迎えた会社に、新たな価値を見つけようとしている



2017年10月17日火曜日

Mediaサーバーの未来

 15年以上前にデジタルライティングの映像送出装置として誕生したメディアサーバーは、LEDスクリーンに向けた映像出力装置として1つの選択肢を提供し、やがてプロジェクションマッピングの流行とともに、映像送出のスタンダードな地位を気付くはずだった。がしかし、映像業界向けに使いやすいメディアサーバーというのは実は多くなく、ほとんどの人は照明向けメディアサーバーをなんとか、やりくりして使ってきたというのが本当のところだろう。

そしてまた、メディアサーバーを購入した多くの企業で、多用するほど運用していないのも事実ではないだろうか? 認知はされた、照明卓などなくても使えるものも出てきた。しかし、実際には多用するほど活用しているケースは少なく、多くのプロジェクション演出はコンテンツで対応しているケースがほとんどであり、再生機は特別なものは必要がない状態になっていると言っていい。

とは言え、コンサートシーンにおいて、一定の地位を築いたメディアサーバーは市民権を得ており、照明さんと映像さんの間で、昔に多くの人が抱いた期待とは異なる規模で、活用されている。今では、照明コンソールと一体化した製品や、照明業界で照明装置の1つとして活用されるメディアサーバーなど、いろいろあるが、この分野はすでに飽和したかまたは製品カテゴリー自体がコモディティー化したか。(陳腐化して一般化した)


とにかく、すでに特別感はないし、これ以上に派手に進化することもない。終焉を迎えた印象は拭えない。どんな機能を持ってきても、驚きもなく、感動も薄いのは、すでに大概の製品が似たようなことができており、つまりは技術が陳腐化しているのである。

今後もメディアサーバーと呼ばれるカテゴリーの製品は、これ以上に進化はなく、拡大はしないが、消えることもなく、しかし価格に対する下げ圧力は強まるだろう。それが単にコンピューターであり、ソフトウェアであることは明白であり、また、技術自体が陳腐化しているのである。典型的な製品のコモディティー化現象が感じられる時期が数年前から続いている。

ブームの終焉という意味では、有名なプロジェクターメーカーがメディアサーバー を買収したり、新しいメーカーが、メディアサーバーを開発したりする中、遠くから聞こえるサイレンのように、しかしそれが重大なキーワードであることを教えてくれる。もはや、時代は変化している。皆が気づかないうちに、この産業は飽和し、これ以上の拡大はなく、新たな方向性、新しい類の製品、メディアサーバーではなく、新しいアプローチが動きだす。メディアサーバーで行っていることは包括されていくか、より手頃な値段で手に入るメディアプレイヤーの方向へ舵を切る。


次の世代の新しい製品をなんと呼ぶのかわからない。ただ静かに次の新たなブームが動いているのを感じるのである。それは新しい世代に向けた新しいツールであり、ショークリエイションのプラットホームとも呼べるもの。いつかModulo Kineticで行っていることの新しさを、皆が知る時が来るだろう。それがブームとして広がり、メディアサーバーみたいに定着するかどうかは、まだわからない。しかしこれらがメデイァサーバーとは似て非なる新しい潮流であることは間違いない。メディアアーバーという言葉自体がもう古臭い。すでに終わったと言ってもいいだろう。







2017年10月10日火曜日

破壊の中に生まれる新しい何か

 長いこと1つのビジネスで利益を得てきて、あえてそれを捨てる決断をするのは、非常に難しい。やはりこれまで同様に同じビジネスでこの先もやっていきたい。顧客の求める要求もまた、同じ方向である。故にそこに依拠したいバイアスがかかるのが普通だと思う。それをあえて破壊する決断というのは、相当に難しい。会社の経営者として、自分の会社にとってマイナスになる選択というのは、本来はありえないし、そんなことしたら、株主から相当、反発されるだろう。

そんなあり得ない選択をしたのが、マイルランテックの最近の状況であり、ルミネックス社の代理店を増やす選択は、まさにマイルランテック社にとってはネガティブな選択だった。多くの人が、主力商材を手放す選択などあり得ないと考えたし、マイルランテックは、そこまでしてLuminexに奉仕して、何が得られるのか?と訝しがる人もいるだろう。答えは、Zeroである。利益などないどころか、マイルランテックを破壊しかねない選択と言える大事件だった。(ある意味、すでに破壊されたのかもしれない)

2014年、私はあえて、新しい会社を誕生させて、マイルランテックの既存ビジネスを破壊しつつ、破壊された中から生まれる新しい可能性をつかもうと考えていた。イノベーションは既存の仕組みの破壊から生まれるものなのだ。マイルランテックも同様に、これまでのビジネスに依存しないで生きるきっかけをつかめるかもしれない。この選択はチャンスなのだ。もちろんマイルランテックが、即死するような決断は不可能だが、相当にダメージは大きいものの、今回は、これをきっかけにして、新しいマイルランテックに飛躍することが可能だとイメージした。

確かに、2017年に自分が下した選択、これは賭けである。九州営業所を閉鎖し、社員を特に若い世代に入れ替え、社員のほとんどが新しくなり、若い世代に責任を持たせ、古い商材から新しい商材への切り替え、異なる仕事の仕方への転換、10年前にイメージした古いビジネスモデルを破壊し、また価値観すらも新たにする方法は、会社そのものを破壊しかねない劇薬である。それをうまくコントロールできるかどうか?自分のイメージ通りに制御できるのか?これは自分にとって、大いなる挑戦であり、劇的な変化であった。この計画のために、2014年から行動し続け、試行錯誤を繰り返した。九州ブランチもその中から生まれて消えた1つのアイデアだったし、昨年行った社内ミーティングは、まさに2017年に向けた大改革の集大成でもあった。消えたもの、残ったもの、想定内、想定外の変化、いろいろなことが起こって、今もまだ混沌としていて、結果は見えない。

しかし、それでも変えたかった。新しい会社に生まれ変わりたかった。変化し続けなければいけないと思ったし、Luminexの足を引っ張る気にはなれなかった。Luminexを求める潜在的な顧客にとっても、これは良い選択だったはずだ。私は10年続いたマイルランテックを犠牲にして、LuminexJapanを誕生させ、次の世代のマイルランテックを生み出したと数年後には、はっきりと言えるようになると思う。そう信じて、今もまだ改革を続けている。



2017年10月7日土曜日

自身の責任感に殺される自己

 自分の仕事を全うしようとするがあまり、自分の全てを犠牲にしていまい、自分を失い、逆に今度は、そこから解放されたいと願う。しかし、自身のあまりに強い責任感から、それを放棄できない。そして放棄した自分を責める自分が内部にいて、そこから逃げた時、激しく恥ずかしいと感じてしまう。これは日本人に多い特性じゃないだろうか?

死因として、自殺(Suicide Solution なんて歌があったなあ )が最も多い日本人の場合、先に挙げたようなメンタルだと自分も思うし、実は自分もなんども、こういう状態になってる。過剰な労働で亡くなる人は後を絶たず、労働環境の改善が叫ばれているけれど、社員だけじゃない日本人のほとんどが、責任感の奴隷であり、失敗を恥と捉えるメンタルだ。




ゆえに社員だけじゃない、会社の経営者も同じくらい、失敗したら自殺する人が多い。これも同じメンタルで、責任感と、失敗を恥ずかしいという思い。強く自分を責めるあまり、そこから逃げたいと強い感情が心を支配する瞬間、人は自分を殺す。

みんな実は休みを取りたいと思っているし、他人は休めばいいと簡単に言うのだけど、実は、それをさせない自分が自分の内部にいて、これはそういう思考がゆえであり、自分でもうまくコントロールができないものだと思う。だから、追い詰められる人がいるんだと思う。。やはり、こういう思考をしないような教育というか、失敗をしてもチャンスを与えるべきなんだろう。と思う。なぜ、そうなるか?と問われても、そういう育ち方をしたからだとしか思えない。もともと、そういうタイプじゃない人にはわからないことだろう。


2017年8月9日水曜日

ホール設備のあり方、もう一つの側面

 今年に入り、久しくお会いしていなかった元上司と話をする機会がありました。もうすでに何ヶ月か前のことですが、非常に懐かしく、また多くの知見を与えてくれる良い機会になったことは、大変ありがたい機会であったと思います。今でも私は未成熟かつ、足りないことが多いと自覚していますが、舞台照明会社に勤めていた20代の頃はさらに輪をかけて、人としてなっていなかった時代。。。。

 当時の上司はよくぞ、自分を使ってくれたものだと思うし、その当時があって今があることを鑑みると、上司の忍耐力への感謝と失礼で生意気な当時の態度を深くお詫びしました。確かに、若い頃から激しい感情と情熱でひたむきな性格だったからこそ、今のような仕事ができたのかもしれませんが、いや、やはり今の自分があるのは、当時から今まで自分に関わってくれた人、先輩や後輩、舞台人としての所作を教えてくれたフリーの方々や、関係各社の人たちのおかげだと思います。やはり自分は、舞台をルーツにして生きているなと強く感じます。

そんな私ですが、時々、公共ホールの照明設備について議論する機会を頂くことがあります。偉そうに登壇するのは本意ではありませんが、当社はネットワークインフラの製品を提供する企業であり、劇場やホールの設備について無関係ではありません。そういう機会があれば、自分の知り得る情報を公開するべきと思い、今もそうした機会があれば、積極的に参加しています。

昔を振り返ると、当時、勤めた会社は舞台照明というよりホール管理業務の印象であり、その割に、自分はほとんどその仕事に関わることなく、イベントや普通にお芝居、コンテンポラリーダンス、コンサートなど派手な仕事をさせてもらっていた。しかし、今も昔もホール管理という仕事は存在しており、重要な仕事であることに変わりはなく、それら仕事を今になってフォーカスすると、その重要性について、考えさせられます。

舞台に関わる著名な人の中には、イギリスなどの舞台はプロが立つ舞台であり、素人のための劇場ではないが、日本では多くがプロではなく、素人が舞台に立つのが大きな違いだと言う声もある。しかし、これは日本の文化であり、各市町村が税金で建てたホールは、市民が使う市民のための設備であって、そういう場を提供するのが市民ホールだという価値観。元上司が話す言葉は、それが自分にとって大きな意外性というか、改めてその意味を再認識させられるものでした。

日本のホールは、市民優先であって、公演でやってくる外部のユーザーだけのものではない。貸し小屋として機能する場合も、目的は市民が見たい公演だからであって、市民ファーストという考え方は変わらないと。非常に明確だが、意外に見失いがちな価値を再認識させられる。

場所によっては、ホールや劇場がその地域の集いの場所であり、ロビーエリアで宿題をする小学生がいたり、老人たちが世間話をしていたり、部活帰りの高校生がおやつを食べていたりする環境として、その存在が人をつなぐ場になっていたり、人が憩う場所として機能する。その意味で、決して立派な公演を毎日、見るためだけの存在ではないということを、教えられ、日本の文化としてのホールへの視点とか、箱物行政と批判されてきたが、ホール設備の別の意味について、開眼させられたのは、驚きであった。やはり物事には複数の側面があるなと思いました。


経営者とて会計業務を理解すること

 経営者は一様に会計業務が苦手とか、それは経営者の仕事じゃないとか言われると、うーん。。それはちょっと違うなと思う。いや、全くわからないことなんてなく、やれと言われれば、もちろん今でも仕訳入力だってできるし、バランスシートを見て、幾つかの指標を割り出すことなど、経営者ならばできて当たり前だろうと思う。だって自分の会社だもの。

中小の社長は、会計業務が面倒で嫌いなことは多数派だし、できる人に任せるのが基本だと思うけれど、何が欲しいのか明確に伝えなければならないし、やってる内容を理解してないと指示もできないゆえに、会計業務については、経営者なら持っておくべき知識だと思う。

中小の社長はキャッシュフローだけ見てればいいとか、多くの社長がBSなんてわからないとか言われると、確かに過去の結果だけ見て経営しているわけじゃないから、バランスシートだけで会社経営なんてできないと思う。しかし、これまでの結果を数字で理解することは必要だろう。スマートなのは、月次決算して、試算表をもらって、そこから欲しい数字だけ取り出して、分析に使いたいと、多くがそうだろうと思う。そういう私も、自分が大事だと感じる幾つかの指標は持っているし、単にエクセルシートに決算書や試算表からの数値を入力して、それを判断や目標に使っている。

その代わり、経理担当者がしっかり入力しないとでたらめな数字になるし、勘定科目や補助科目を、こちらが知りたい内容じゃなく、一般的な勘定科目にまとめられたら、それこそ意味がない。せっかく保険でお金を外に逃がしたのに、資産じゃなく費用にされちゃうと赤字になっちゃう。こっちの求めている仕事は、知りたい数字を積み上げた結果であり、意図した会計結果であって、税務署に出す決算書のためだけが、目的じゃない。税理士の能力次第で会社は繁栄も衰退もするなと思う。否

資格を持って税務署に出す資料を責任を持って作成するだけ、まだマシで、世の中には偽
プロフェッショナルみたいな輩がいて、コンサルという名前で税務を請け負っちゃう人がいる。もうグレーゾーンとかじゃなく、真っ黒でしょ。と言いたい。そういう人が何に責任を持つかといえば、責任なんて持てないでしょうと。

だから中途半端な帳簿になる。意味不明な仕訳が散見される。そんなサービスでお金を取るなんて、ありえないだろうということもある。やはり会社の経理業務、実務は誰かに任せても、中身はしっかり経営者が管理、理解する必要があると思う。会社に余力があって自計化できるなら、そうした方がいいに決まっていると自分は思う。だから経営者は会計の勉強もしておくべきだと強く思う。


2017年6月29日木曜日

九州営業所の閉鎖

 2014年の暑い夏でした。九州を車で訪問し、営業活動をした時に感じたことは、なんて魅力あふれる地域なんだろう。そして可能性にあふれる若さ溢れる福岡に、強く魅せられました。近くには観光資源も多く、街は高い利便性を持ち、様々な面で、この地にマイルランテックのブランチオフィスを開設したいという思いに駆られ、準備を進めていました。当時、私は将来の会社を取り巻く大変化、時代の転換点に差し掛かる前に、対応可能な手段を完成させようと、次の何かを探し続けている状態でした。

さて、そんな強い思いから3年が経ち、紆余曲折あって、なんとこの営業所の継続に対応するすべなく、撤退の決断という残念な結果になってしまいました。事務所を拡張した直後だけに、私自身も、とても悲しいですし、また九州地域の方々には、本当にお騒がせして申し訳なく思います。

 http://milecontrol.blogspot.jp/search?q=%E4%B9%9D%E5%B7%9E

スタート時は意気揚々とした空気もあったんですが、何事も計画通りにいかないもんです。残念なことに、自分の人生、こうして、新しいことをはじめては、挫折の繰り返しなのかもしれません。自分の選択、リーダーシップのなさ、計画性など数多くの点で、至らないことばかりと感じています。

今年、九州営業所はなくなりますが、その代わり新たな会社も誕生し、これまでの九州営業所の担ってきた業務は新しい会社に引き継がれます。また九州地域におけるマイルランテックの商品、LuminexやModulo、Connex製品などの販売については、マイルランテック東京で、対応させていただきます。加えて、ショーコントロールの設備案件など、トータル制御に関するお仕事も、東京オフィスで対応いたしますので、新しい案件など、ございましたら、お気軽にご相談ください。

今回の撤退は、確かにネガティブな印象を与えますが、しかし事業は常に再編されるもので、時代の変化とともに、やり方を変えて対応していくしかないと思うんですよね。うまくいかなければ、引いて考えることも大事だなと。そして変化の中から新しい希望も生まれます。いろんな意味で、新しい何かは、既存システムの破壊から生まれるんだと思います。
この決断と同時に、東京のマイルランテックは新しい才能が集まり、一致団結して前へ進もうという強い意志も芽生えています。失ったものもありますが、代わりに生まれてくる新しいものもあるんですね。





2017年5月28日日曜日

働き方と未来の会社

 今年もあっという間に月日が流れ、早くも夏の気配が感じられます。自宅のもみじが、まばゆいほどのグリーンを放ち、部屋の中が緑で充満しています。それにしても、時間が過ぎるのは、本当に早いですね。
ここのところLuminexの仕事で韓国に行ったり、マイルランテックの決算のことやら、立て続く仕事の洪水に溺れ気味ですが、なんとか全てを完了して、本来の社長の仕事をしたいと思い、時間を作り出す努力中です。社長の仕事というのは、計画し決定し方法を指示して検証を繰り返すことです。本当はゆっくり考える時間が必要なんです。

今、現実に若い会社を世に生み出し、運営していて最近、会社の個性について考えることがよくあります。マイルランテックを創業した時も、どういう会社に育てたいか?明確な意図があり、夢もありましたが、同じように自分の理想とする会社の個性というものがありました。しかし、これが意外と難しくて、マイルランテックでは、自分の意図した通りにはならないことを経験しました。これは当たり前ですが、会社は人が構成しているわけで、自分だけの想いでは、意図した通りの個性(社風)にはならないわけです。

アマゾンのジェフベゾス氏が言うように、会社の個性は代表者の個性が大きなウェイトを占め、次に最初のコアな人材が同じく大きなウェイトを占める。この2つの要素で6割くらいは決定されると言えるでしょう。この点からも社長自身の個性と同時に、社員の育成と選択は非常に重要になります。

もちろん社長の求める個性がエネジェリックなのに、自身が冷めたタイプでは、社風はそうはならない。ゆえに、もし自分の個性と異なる会社にすべきと判断するなら、自分ではなく、最適な社長を探すべきということになるんでしょうが、それもまたとてつもなく難しいです。会社を任せるなんて重すぎるし、何より自分と同じ目標に向かってくれる優秀な人など、そう簡単には見つからない。やはり会社を社長の個性と異なる会社に育てるのは難しいんです。自分のキャラを理解して、それに見合った会社の個性を生み出す努力をすべきですね。

では、自分の個性と求める会社の個性がマッチしているとして、次の要素である社員選択は非常に大きな意味を持ちます。 もし間違った人を採用したり、間違った社員の育成をしては、相当な時間のロスを生み出し、やがて自分のやりたい仕事、夢に到達することなく機を喪失することになってしまう。ということは、自分が必要とする本当に信頼出来る人をベストなタイミングで採用することが、中小の社長に求められる仕事の1つになるんでしょうね。これもまた極めて難しい仕事です。

マイルランテックを創業した時、自分が想像し夢見ていた会社の雰囲気は、今の社員にも、よく話をします。それが、例えるとアポロ13という映画に出てくるワンシーンのようなイメージです。アポロ13は偉大なる失敗と呼ばれます。宇宙船がトラブルを起こし、宇宙をさまよう中、技術者たちが今、宇宙にいる飛行士を助けるために、アポロに搭載されている機材を机の上にぶちまけ、時間など忘れて、皆で必死に解決策にとりくむ姿は、強く心に残り、どんな困難な時も、皆で創意工夫と努力をして、解決していける。それは同じ志を持った仲間がいれば可能なんだ。だから自分の会社には、会社を愛してくれる仲間のような気持ちの人を採用したいというのが自分の理想像でした。

多くの人から、会社への愛情は最初からあるもんじゃなく、時間とともに育つ意識じゃないの?と意見されますが、いやそこじゃなく、最初から冷めた人は嫌いと言いたいです。熱い心と情熱を表に表現できる人がいい。面白いことに情熱を注ぎ、それを表現できるような雰囲気の個性であれば、きっと大丈夫、話し合えると思う。

大きな会社ではないから、ただ生活のために雇われたような人ではなく、会社に愛情を持ってくれる人がいい。最初はダメでも情熱的な人はそういう意識に変わると信じてる。 そして同じ方向性の夢を持ち、自身の能力の向上と同じように会社を成長させてくれる仲間、常に新しい技術に興味を持ち、それらを話し合い、情熱と誇りを持ってこの仕事に取り組む社員像は、かっこいいなと。暑苦しいかもしれないけど、自分はそういう会社にしたいと10年前に思いました。

巷では、会社と労働者の関係は、もっとドライな関係になったと言われており、やがて会社組織に依存しない働き方が現れるのかもしれないとか、会社に依存しない働き方が、いかにも未来の働き方のように喧伝してるけれども、それはつまりフリーランスという個人事業的な働き方であり、よほど特別なスキルと高いモチベーション、さらには、社会の変化に対応し、自分自身を磨く能力がなければ、それは難しいと思う。。

自分の経験では、会社に所属した方が自分一人ではできないことが実現出来る。そして自分の仕事にも専念できるし、会社を皆で強くしていく方が、リスクを軽減することにもなる。将来、会社での経験を下地に独立することも可能になるだろう。これはもちろん会社経営者にとっても利益となることであり、だからこそ自分は自分のことを理解し、近い価値観で仕事を実践してくれる仲間を探し、そして生み出し続けるしかないんだと思います。だから、会社は採用活動を継続しなければならないんです。しかし、本当にこれは難しい仕事だと思います。



2017年5月2日火曜日

新しい時代の到来












陽光まぶしい穏やかな天候に恵まれた4月25日、すでに桜は終わり、新緑の季節が近いことを感じさせる暖かな日、ベルギー大使館にて、LuminexJapanの設立記念パーティーが開催されました。

本社からは、JanRenckens, Philippe Coudyser と奥様のElane、そしてCEOのBartSwinnneが参加し、新たに代理店となった方々及び音響、照明などのメーカーの方々さらには、台湾と韓国の新しい代理店の方々にもご来賓いただき、あたらしい会社の船出を皆でお祝いしました。

これが公式な意味でLuminexJapanの船出になるかと思いますが、 これによりマイルランテック単体でのLuminex製品供給は終わり、今後は下記の代理店さんからLuminex製品が供給されるようになります。

ウシオライティング
音響特機
デジコム
オーディオブレインズ
ミックスウェーブ
マイルランテック

これはあたらしい時代の幕開けであり、自分の行ってきた事業が1つの区切りを迎えたことも感じています。どんな時も同じやり方、同じ形で永遠に続くことはなく、環境が変化を続けていく中、これに対応するのが、自分の仕事であり、マイルランテックはこれまでとは異なる方法論で新たな価値を生み出していく必要があることを強く意識しています。

ここで改めて説明をしますが、マイルランテックとLuminexJapanは全く資本関連がなく、別会社であり、マイルランテックはあくまでLuminexjapanの代理店の1つでしかありません。社長が同じなので、関連があるのでは?と誤解されがちですが、このLuminexの場合、日本法人はベルギーの子会社であり、Luminexの資本で設立されています。
私は個人で出資しているため、マイルランテックとは完全に分離した形です。
 
私の主要な仕事は、引き続き、安定して製品提供を行うとともに、ルミネックスジャパンを成長させ、日本にしっかりとしたルミネックスの拠点を確立することにあります。人の採用や代理店の方々への技術情報の提供、広告宣伝活動のお手伝いなど、一人では大変な仕事が積み上がってます。しかし、それでも自分が選択したことであり、一刻も早く、会社を安定した経営体質にできるよう、努力をしていきます。





2017年4月9日日曜日

4月の始まりLuminexJapan誕生 10年の節目










 2017年3月1日 ”LuminexJapan株式会社” が誕生しました。いまはまだ、様々な準備に追われる毎日ですが、そろそろ皆様に設立のご案内が届く頃ではないかと思います。
それにしても、もう早くも4月ですね。これを書いている間に、フランクフルト出張となり、今、帰国しての続きのブログ原稿作成です。

この新しい会社は、Lumienx社の子会社で、本社の社長Bart Swinnenと日本からは、
宇佐美浩一が役員に就任します。これにより、私の人生を変える新しい扉が開いたのは間違いなく、これから私は2社の経営を同時に行うことになります。これは非常に大きなプレッシャーであり、LuminexJapanという会社を早く、一人前の会社にせねばという強い想いも高まってきます。

今、改めて10年を振り返ると、いやマイルの構想を考えた2005年に戻ると、12年前の暑い夏の日、まさか自分が輸入販売にこれだけ長く関わるとは想像もしていなかったし、また2つの会社を運営したいなど、考えたこともありませんでした。単に自分の好きなこと、新しいものを追いかけ続けた10年であったような気がします。それがいつしか、新しい仕事につながり、LuminexJapanに昇華したといえるでしょう。
すでに、2つの会社を運営していくことを決断した以上、Luminex社では通信ネットワークについて真剣に考え、そしてマイルランテックでは、新しい映像演出、劇場との関わりを重要な責務として捉え、当社を支持してくれる顧客のためにも、業界のためにも、 これまでと変わらない努力をしていきたいと思います。

さて、ここで気になる点としては、これまでLuminex社と深く関わってきたマイルランテックは今後、どうなっていくか?について、社員も含め、 おそらくマイルランテックからLuminex製品をご購入いただいた方々からも、疑問の念を持たれることもあろうかと思います。率直に言って、やはりマイルにとってもこれは大きな変化であり、ある一定の変化がマイルの経営については出てくるといえるでしょう。

代理店の拡散という減収減益につながる選択をマイルランテックに対して行った代表取締役としての、私の判断は正しいのか?どうか?と問われれば、販売代理店という業務だけで見れば、疑問が出るのもわからなくはありませんが、以前から私が主張するように、マイルはモーションイメージライティング、コントロールエンバイロメントというテーマを持ち、いかに照明と映像など異なる分野の仕組みを組み合わせたショーシステムを作るかという点に強い関心を持っています。その意味では、マイルにとって、ルミネックス製品のネットワーク分野も1つのパートであり、もともとが、より大きなテーマを掲げて、さらに新しいことを開拓していくのがビジョンであるわけで、決してこれまでもネットワークシステムの販売だけで生きてきたわけではありません。

よって、私はこの機会をマイルが大きく飛躍するきっかけとして、今後もさらなる新しい何かを皆さまにご提供していける企業へとマイルランテックを成長させていこうと考えています。ただし、 マイルランテックの、ルミネックス製品代理店という立場は変わりはなく、これまで同様に同社製品の販売とサポートを続けていくのでご安心いただきたい。今後も、マイルランテック、ルミネックスジャパンを何卒、よろしくお願いします。


 (株) マイルランテック   
ルミネックスジャパン(株)

   代表取締役 宇佐美浩一



2017年1月24日火曜日

ModuloPlayer













少し遅れての展示会後の感想です。
光和さんの展示会が終わりました。昨年はトータルショーコントロールというテーマで
イベントスペースの演出に関わりましたが、今年は自社ブースにて新製品の発表となりました。ここで、当社は次世代の映像技術製品、Modulo Kineticを世界に先駆けて、日本で披露できたことに喜びを感じます。来場された方々で気付かれた方にはご説明しましたが、来月のISE(アムステルダム)では、このキネティックとプレイヤーが展示会で披露されますので、向こうに行かれる方は、ぜひ、ご覧いただきたいと思います。

Modulo Pi社は、すでにフランスで驚異的に支持者を増やしています。おそらく、ISEでワールドデビューをし、世界の人の目に触れた時、また大きな反響があるでしょう。非常に優れた映像再生ソリューションと映像演出ソリューションです。そして現場を知り尽くした開発者が作り上げる洗練されたソフトウェアは、多くの現場の人の支持を受けるでしょう。これまでカタリストを販売してきた自分ですらも、その圧倒的に使いやすいユーザーインターフェースの虜になりました。

これは間違いなく社長のYannickが映像現場に深い知識を持っているとともに、彼らの周りにいるフリーランスが現場でのフィールドテストを繰り返し、それをフィードバックしている結果によるところが大きいでしょう。そしてそれを彼らの驚異的な開発能力とスピードが実現していると思う。

 Modulo Playerのよさは、やはり圧倒的な使いやすさ。
そのユーザーインターフェースは特筆すべき点であると思う。これまでメディアサーバーと名のつくソフトウェアベースの映像プレイヤーは決して使いやすい操作パネルではなく、その多くが外部に特殊なコントローラーを要求した。それは多くが照明卓であった。しかし、Moduloはそれを否定し、ネットワーク経由で接続されるリモートソフトという方法で、コントロール環境を提供する。そのリモートソフトは、洗練されたインターフェースにより、 見た目に勘で操作が可能な上、グラフィックカードの設定も全て、このリモートソフトで設定できるため、サーバー側にキーボードやマウスなどの接続は不要です。コントロールソフトのみで全ての操作が完結するのは、非常に使い勝手が良い。

このこだわりは、ショーの編集作業などを映像再生のハードウェアから分離することで、サーバーへの負担を減らし、操作ミス等による不具合を減らすためである。全ては安定性へのこだわりから来ている。これはコーデックの選択にも現れている。特殊な専用コーデックでは汎用性がなく使いにくい、かといって数多くのコーデックをサポートすると、システムは安定性が損なわれる。そこで一般の映像制作現場でエンコードできるProressとH.264などの限定されたコーデックのみをサポートし、レガシーコーデックを全て捨てることにより、サーバの安定動作を担保している。

ハードウェアは見た目には普通のラックコンピューターだが、マザーボードからSSD、AMDのグラフィッカードなどの全ての点で、こだわりの選定が感じられる。AMDのグラフィックカードが故にGenLockも可能なうえ、出力ポートのEDIDもロックすることができ、安定性と同時に手早いセットアップと非常に高い描画パフォーマンスが得られる。
キャプチャーカードにDeltaCastという選択も、同じく、こだわりを感じる。当然ながらこれらハードウェアのセットアップは特別なチューニングが行われているようで、後からウインドウズに手を入れると、それがよく分かる。

最先端の4Kプレイヤーとしてもまた、プロジェクションの際のブレンディングとか、各種のエフェクト、マッピングに関する機能などを搭載したプロジェクションマッピングツールとしても、そしてこのモデューロから外部機器を制御可能なため、例えばプロジェクターの管理、スイッチャーの管理などを含め、映像演出の全てを一括管理するショーコントローラーとしても活用できる。もちろんモデューロをMIDIなどで外部から操作したい人向けにもポンだし的な使い方ができるような工夫がある。最近は、フランスで照明さんが使いたいという要望も増えて、照明卓をつなぐモードも用意する予定です。

こうした現場から要望に対し、モデューロパイ社は、非常に柔軟かつ迅速に対応してくれる。この現場重視の姿勢は、私が経験したカタリストにも通じる文化であり、この姿勢が、先月のディズニーランドパリスにおけるスターウォーズ現場への納品が決まった理由でもある。もう古めかしいメディアサーバーはいらない。今、新しい次元を開いた、次世代のメディアサーバーが、映像業界の今の不満を解消するでしょう。




2017年1月5日木曜日

ショーシミュレーションとデザイン

 新年明けましておめでとうございます。
年明け1日目はカタリストのセットアップとModuloによるネイティブ4K出力のテストなど映像関連が中心の1日でした。本来なら、Luminex Japanの活動をすぐにでもスタートしたい想いですが、願い叶わず、未だ待ちの状態にあり、あちらの仕事についても、やるべきことが積み上がってはいるものの、マイルランテックのお仕事もこなさねばなりません。

そんなわけで、今年はまた以前にも増して、時間が足りなくなるのでは?という不安もありますが、否、今年こそは、これまでの悪習慣を断ち切り、残業削減、さらには酒を減らし、若い頃の趣味であったマリンスポーツを再開することを目標に、しっかり休みは取るつもりです。もう仕事に振り回される毎日はうんざりです。自分の心を休める時間も必要です。これが個人的な新年の誓いです。

さて、そろそろこのブログも終了と言いつつ1年が経過し2017年の1月がスタートしました。当初はショーコントロールとかショー演出の技術について語るブログとしてスタートしたパート1から数えると8年もブログを書き続けてきたことになります。このブログ終了も発言通りにはいかないみたいですが、確かに記事は減りつつあり、アウトプットし続けたこれまでを振り返りつつ、今年は少し自分へのインプットを増やしたいと思います。

今年2017年は、オリンピックも近い上に、MedialonがBARCOブランドになったこともあり、当社が創業当初よりメッセージとして業界に訴え続けたトータルショー制御の概念も陽の目を見る可能性が出てきました。きっとMedialonとショーコン分野も、これまでのニッチマーケットという印象から脱却し、この業界で広く認知されるようになるかもしれません。そうなったら、これを続けてきた甲斐もあるというものです。

しかし、今年、私が非常に興味を持っているのが、ショーシミュレーションと映像演出のデザイン分野で、これはオリンピック以降はスタンダードなシステムになることは確実だと考えています。これは当社でいうところのModulo Kineticであり、3DモデリングデータとUVマップなどという使い古された話ではなく、プロジェクションのシミュレーションも、プロジェクターのレンズシフトデータのシミュレーションとかも含み、さらにカメラを使った自動補正とか、センサーデータを受けてインタラクティブに変化する映像などの複雑な演出を一括管理するプラットホームという分野の話。

同じ分野に入ってくるだろう他社の製品で言えば、d3を筆頭にクリスティーのPandrasBoxや、もしかするとAVスタンフルのメディアサーバーなんかも、狙ってくるんじゃないかと想像します。ちなみにBARCOもd3的なメディアサーバーを開発しているということでしたが、当社のキネティックは、かなり先を爆走中です。それを見ていると素直に、将来、映像機器のトータル制御はショーコントローラーではなくメディアサーバーが
シミュレーションごとまるまるパッケージ化することになるんじゃないかというのが、最近の自分の予想です。もちろん条件制御でマルチタスクを動かすとか、そういう芸当はMedialonの役目なので、本当のショーコンというニッチな分野は揺るぎないんですが。。。

 多くの映像に関わる人の場合、特に放送とかは4Kの次の8Kとか、やたら解像度の話に行きたがりますが、舞台演出とかショー演出の分野では、いかに短時間で複雑な補正を可能とするか?とか映像を主体に各種機器のトータル制御、例えばスイッチャーとかプロセッサー、プロジェクター、メディアプレイヤーを1つのタイムラインで管理するような方が重要で個人的にも面白いと感じる世界です。ここに3Dシミュレーションが加わり、これまで照明だけの世界だったシミュレーションが映像分野でも可能になると、これは画期的なことではないかと思うのです。

つまりメディアサーバーのトレンドは、すでにプレイヤー単体としては終わってて、シミュレーションとショーコントロールとインタラクティブ、例えばステージセットの動きに合わせて映像が自動でマップされてトラッキングするとか?そういう演出。さらに映像演出のベースとなるマッピングやブレンディングや球体補正などを自動化する機能、これらを1つのソフトウェアで統合して提供するデザイン環境という分野、そしてそのオペレーション(プログラミング)というトレンドに移りつつあると。かなり大胆ですが、自分はそう感じています。それゆえ、すでに2年前からモデューロを取り扱い始め、今年、ようやく、本命のキネティックという次世代メディアコントロールプラットホームの製品がリリースされるわけです。ぜひ、来月のISE(アムステルダム)では、Moduloのブースにお立ち寄りいただきたいと思います。(初出展です。ちなみに)

今年、当社はカタリストで訴え続けた映像演出をよりアクティブに舞台演出に組み込み、照明と映像の垣根を超えた新しいセクションを誕生させるというキーワードから卒業し、次はより映像主体に、どうやって複雑なショーを画面の中でプログラムしつつ、それを現場で再現するのか?複数のメディアプレイヤーを同期し、1つのプロジェクションの中に統合していくのか?インタラクティブな映像演出をいかに大胆かつ簡単に提供しうるのか?等について研究し、Modulo Kineticとともにその解を業界に披露して行きたいと思っています。本年もよろしくお願いします。